今回、編集部でひとりのインターンの女の子がインフルエンザにかかった際、僕は全社員にマスクの着用を義務付けました。編集部の中だけではありません。通勤時、営業外回り時、地下鉄の中、バスの中、とくにかく外出、室内関わらず、日本の時のようにマスクをするように、と。 1週間経過し、道ゆくニューヨーカーから、白い目で見られた社員はゼロでした。と同時に「やめときなよ」「この街でマスクなんてしちゃいけないよ」と注意してくる在ニューヨーク日本人は数名いたそうです。
「国際化」とは何だろう。アメリカ人のバカなところまでモノマネすることだと思っている日本人がいまだにいることにウンザリします。世界的に鳥インフルエンザが広まったのは、欧米、特に北米のアメリカ人がマスクを着用する習慣がなかったことが、原因のひとつに挙げられています。
アメリカでマスクを着用する習慣がない。それだけでインフルエンザが流行っているのに、マスクを着用せず、頑張って、無理して、結果、インフルエンザになったらバカ以外の表現方法が見つからない。
もちろん、当初、マスクを着用するように社長命令をしたところ、「街ゆくニューヨーカーに変な目で見られないですかね…」と心配そうに相談してくる社員もいるにはいました。だったら、教えてやればいい。たったひとつのマスクで防げるウイルスもあることを。バックに予備を入れておいて、一個あげたら?と僕は答えました。アメリカ人が、マスクを着用する習慣を身につければいい。だって、絶対にいいことなんだから。
日本に出張に行けば、税関の職員までがマスクをしています。その姿を見て。日本に帰ってきたな~、と嬉しくもなります。その習慣を嘲笑するニューヨーク在住の日本人もいましたが、逆に僕が嘲笑してやりました。彼らからは、インフルエンザをもらって仕事に穴を開けないようにというプロフェッショナルな姿勢以上に、他人に伝染させないという配慮まで見て取れます。