バイト炎上動画で「人生終了」に違和感。本当に悪いのは誰か?

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大手回転寿司チェーン「くら寿司」や大手コンビニ「セブン-イレブン」、中華系ファミレス「バーミヤン」などのアルバイト店員による不適切動画が世間を騒がせています。「被害者」となった雇用企業による訴訟の動きが当然の流れとなっていますが、そんな状況に違和感を感じるとするのは、米国在住の作家・冷泉彰彦さん。冷泉さんは自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、今回の一連の騒動に抱いた「3つの違和感」、そしてこの問題が起こる根本的理由についても考察しています。

炎上動画問題、不幸の源泉は企業本社の「事務部門」か

ここ数日間、日本のメディアでは「不適切動画問題」が連続して取り上げられています。例えば、ある「回転寿しチェーン」ではゴミ箱に入れた魚を改めてまな板に載せた動画が、また「中華系のファミレス」では中華鍋の油につけた火でタバコに点火する動画、あるいは「大手コンビニ」ではおでんに入っていたシラタキを弄ぶ動画などが炎上していました。

この問題ですが、勿論、そのような行為を行なった人間はバカだと思いますし、飲食業の基本である衛生管理ができていないということを考えると、クビになるのは当然だと思います。

ですが、問題はそれでは済まないようで、各社は民事刑事の双方から告発をする構えで、仮にそうなれば動画をアップした本人や、その親は物凄い金額の補償を払わされる可能性があるというのです。人生「オワタ」ということにもなりかねない、そう言われています。

こうした構図ですが、どうしても違和感を感じざるを得ません

1つは、本当に悪いのは誰かという問題です。不衛生な動画を拡散してブランド価値を傷つけるということでは、「背景のディテールや位置情報から店名やブランドをわざわざ特定して晒す」というネット巡回屋さん、そして「他に報じるべきニュースがあるのに」わざわざ「しょうもない動画ネタ」を全国ニュースとして垂れ流すメディアがあるわけです。

一方で、やった本人は、店名が特定される可能性や報道されて炎上する危険を「知らなかった」ということで、余計に叩かれています。そうなのかもしれませんが、他にやることがあるのに「特定して晒す」ネット住民や、堂々と「全国ニュース」に仕立てるメディアにも責任はないのでしょうか? この辺に関してはどうにも筋の通らなさを感じてしまうのです。

2つ目は、無限責任という考え方です。最低賃金から少し上ぐらいの時給仕事をしている中で、悪意というより無知で愚かなだけのイタズラをしてしまったことで、生涯賃金に匹敵するような賠償責任を負わされるというのは、勿論やった本人はバカだとしても、猛烈なリスクになります。

責任は取らなくてはならないにしても、賃金の範囲にするとか、あるいは保険で補償されるとか制度的になんとかならないものでしょうか。取締役の場合は、経営責任の賠償保険があるのに、バイトの場合は、リスクをヘッジする仕組みはなくて、親も含めて財産を丸ごと取り上げられるというのはちょっと公平でない感じがします。

だいたい経営者の場合は、会社を潰しても株に出資した金額だけの責任、つまり「有限責任」で済むわけですから、この一バイトでも「無限に責任を負わされるというシステムには違和感があります。

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