中国が「一帯一路」に作ったタックスヘイブンに群がる富裕層たち

 

中国企業、富裕層の税金の抜け穴

一帯一路地域のタックスヘイブンの代表的なところが新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州にあるホルゴスという都市です。ホルゴスは、中国と中央アジアを結ぶ交通の要衝地です。まさに一帯一路構想のど真ん中にあるのです。

このホルゴスは、中国の民間企業や富裕層にとっては最強のタックスヘイブンとなっているのです。ホルゴスでは5年間は法人税が免除され、その後の5年間も法人税負担が半額になります。また個人の所得税は、なんとゼロなのです。

中国政府としては、民間企業や富裕層をここに集め、資金を集中投下させたいという狙いを持っているわけです。しかもこのホルゴスは、タックスヘイブンとして異常に緩いのです。昨今のタックスヘイブン税制では、タックスヘイブンに会社の登記をしても、その地に会社の実体がなければ無効になるという国際的なルールがあります。が、中国のこのホルゴスは、ホルゴスに会社の実体があるかどうかは問われず、ホルゴスで営業をしなければならないという義務もありません。登記をするだけでいいのです。

だから、中国の民間企業がこぞって、この地に登記を移すようになったのです。ホルゴスの税務当局によると、2016年の一年間で、2411社がホルゴスで法人登記したそうです。住所地をホルゴスに移している富裕層も数多くいると見られています。映画業界の富裕層たちも、この一帯一路地域のタックスヘイブンを利用しているケースが多いと見られています。

中国エリートたちの資産隠し

また中国の高官たちは、自国のタックスヘイブンを使うのではなく、国際的な「本当のタックスヘイブン」を使って税を逃れているようです。あのパナマ文書でも、中国共産党の要人たちも、こぞってタックスヘイブンを利用していたことが明らかになりました。

パナマ文書では、習近平の義兄の娘が設立した会社の名前もありました。この習近平の義兄の娘が設立した会社は、香港で高級マンションの一室を所有していました。そのマンションは、2007年に2000万香港ドル(日本円で約3億円)で購入されていたのです。

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