【書評】韓国人が書いた「韓国人が借りたお金を返さない理由」

 

2018年12月23日、韓国「国民日報」に興味深い記事が掲載された。「韓国社会は、公共の利益や価値、あるいは他の個人や集団への共感も配慮も失い『万人の、万人による闘争』だけが残ってしまったと、専門家たちは指摘する」「韓国人は、人権や平等より『公正』だけを不思議なほど強く求める。それも、実は自分と他人との上下関係を明確に分けるためにすぎない」……大変だね~。

4~5年前から韓国社会では「孝道契約書」なるものが話題だ。親が子に財産を贈与する条件として子の親孝行を契約として強制できるようにしておくことだという。「親孝行」と「契約」は逆の概念ではないのか。単に「親孝行します」「親を扶養します」じゃダメ、そんな生ぬるい書き方では、いざという時、子を告訴できない。具体的内容でないと、契約違反したかどうか判定できない。

「1か月に小遣い(親の生活費)を○万ウォンずつ差し上げます」「同じ家で扶養し最もいい部屋を親が使うようにします」「年○回の旅行費用を出します」など細かく書く必要がある。親と子の間でこんな契約が流行る国は韓国しかない。韓国は定年が早い。その後は「家をやるから親孝行しろ」と、子に頼るしかない。だが、財産だけもらっておいて親を虐待する事例が後を絶たない

だから「契約」を強いるようになった。いざというとき、子を告訴するため。最近の韓国社会では高齢者と若者の間にも嫌悪し合う問題が起きている。韓国人の家族関係は「位階秩序」、日本で言う「ヒエラルキー」の塊である。高齢者は若者を息子、娘としか見ていない、というのだ。だから可愛がる、という意味ではない。高齢者に対してとしての立場になれと要求する。

若者たちが高齢者に席を譲らなかった場合、高齢者から出てくる定番の抗議が、「息子、娘のようなお前たちが座って、親のような私が立っていて、これでいいのか」である。高齢者に席を譲るのはよいことなのはわかるが「席を譲らなかった奴は高齢者から叱られるべきだ」はやめてくれと若者たちはいう。

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