詰んだ韓国。サムスン営業利益60%減の衝撃と文大統領の暗い命運

 

文在寅政権は、一応は民主主義によって成立しましたが、「積弊清算」の掛け声の下、保守派や守旧派を弾劾して逮捕・失脚に追い込んでいます。徴用工問題の判決を遅らせたということで、逮捕された前最高裁長官なども、そのいい例でしょう。

最低賃金の引き上げにしても、これに反対し、守らない企業はどんどん潰し経営者は逮捕するという、無言の脅しがあるわけです。しかし、それでは企業は成り立たなくなってしまいます。もちろん最低賃金引き上げは、韓国国内の外資企業やその傘下企業にも適用されます。おそらく今後、韓国からは自国企業も外資企業もどんどん逃げ出すと思われます。

それでも文在寅大統領は、国内外で北朝鮮との統一ムードを高め、北朝鮮への制裁解除と同時に、経済特区を共同で開設して外資を呼び込もうという思惑があったと思います。だから、その象徴となる開城工業団地の再開を強く望んでいたわけです。今年1月10日に行った年頭の演説で、文在寅大統領は開城工業団地再稼働と金剛山観光の再開を打ち出しました。朝鮮半島がこれから大きく発展するという期待が高まれば、韓国企業にとっても大きなチャンスですし、外資もどんどん流入してきます。

世界的な投資家で冒険家としても知られるジム・ロジャースも、「今後、10年、20年は朝鮮半島に世界から注目が集まる南北統一は間もなく実現する」と発言していますから、文在寅もさかんに国際社会に対して、北朝鮮への制裁解除を働きかけていたわけです。

朝鮮半島に投資機会 ジム・ロジャーズ氏

ところが、2月の米朝首脳会談は決裂に終わってしまいました。その原因についてアメリカのポンペオ国務長官は、北朝鮮側が制裁の全面解除を求めたからだと述べました。さらにこの米朝首脳会談後に、アメリカとの意見調整を行おうと思っていた韓国外交部は、アメリカ側から「開城工業団地再稼働問題と金剛山観光再開と言及するつもりなら、ワシントンに来ないでもらいたい」と釘を刺されてしまいました。

米国務省、韓国外交部に「金剛山のことを言うなら来るな」

さらに、4月11日の米韓首脳会談を前に、ポンペオ国務長官はテレビインタビューで改めて「非核化が現実にならなければ、制裁解除はしない」と発言しました。これは北朝鮮のみならず、首脳会談前の文在寅に対する明確なメッセージです。

(朝鮮日報日本語版))米国が南北にメッセージ「非核化実現前に制裁は解除しない」

ここで文在寅政権は詰んでしまったと言ってもいいでしょう。南北統一で韓国経済を盛り上げようと思ったのに、その思惑は完全に外れてしまいました。レーダー照射問題や徴用工・慰安婦問題で日本に強気に接していたのも、北朝鮮問題を楽観視していたからです。

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