生きていく方法
その方法は、はっきりしています。中小の小売店さんの多くは、その一軒一軒にメーカーさんや問屋さんを動かす力はありません。ですから、小売店さん同士が団結して力を発揮することです。幸い、小売店さんには「日本スポーツ用品協同組合連合会」という大きな組織があります。これを活用して、力にするのです。
いえ、メーカーさんや問屋さんに対する圧力団体になれということではありません。メーカーさんや問屋さんと協力して、売上や顧客を増やす方法を考える組織になるのです。それも、今までとは違った方法を打ち出します。
そのためには、組合連合会の「本部」の力が重要です。本部は、今後の中小小売店さんの新しい姿を考え、組織として出来る戦略を組み立てなければなりません。そして、その戦略のキーワードを「三層一体」にします。ここは、本当に知恵の出しどころです。
戦略を作るにあたっては、若い人を交えた「プロジェクト」を作り、アイデアを出してもらうのが良いでしょう。そこには、メーカーさんや問屋さんの若い人たちも参加してもらいます。例えば、こんなアイデアはどうでしょう。
「ICT時代の新しいスポーツ用品を開発する」。
それは、観戦用VRかもしれません。コンディショニング管理用のスマホアプリかもしれません。トラッキングデータ分析ソフトも良いです。また、商品ではなく、サービスも考えられます。例えば、中小小売店専用の購入還元ポイントシステム、メンバーカードによるマイレージサービス提供システム、といったものはどうでしょう。
そしてまた、新しい業態のモデル店舗を考えるのも、一案です。メーカーさん、問屋さん、組合が協力して出店します。そのモデル店が成功すれば、それをきっかけに全国で新しい形態の店舗が開発されていくかもしれません。
いずれにしても、一店で行うのではなく、全国の小売店が結束して行うことが大切です。それには、本部の強いリーダーシップが求められます。そして、こうしたことには、必ずメーカーさんや問屋さんの協力が必要です。小売店さん自らがメーカーさん、問屋さんに呼びかけて動いてもらわなくてはいけません。これが、中小小売店の「三層一体」戦略です。もう時間は限られている気がします。
■今日のツボ■
- 中小スポーツショップは、団結して力を発揮すると良い
- 新しい時代のスポーツ店のあり方や商品、サービスを考える
- そのためには、三層一体という考えが重要である
image by: Shutterstock.com