メーカーにも問屋にも見捨てられた小売店が生き抜くためすべき事

 

原因はどこに

私は、この原因は中小の小売店さん自身にあると思っています。販売力が衰えてメーカーさんや問屋さんからの購買力が低下してしまっているからです。展示会を開いても注文がとれない、小売店さんはなかなか仕入れをしてくれない、という状態では、メーカーさんも問屋さんも困ってしまいます。

そして業界では、この20年間大手のスポーツチェーンが売上を伸ばしてきました。大手上位5社の2017年の売上は5,469億円で、スポーツ用品小売り全体の約4割を占めます。メーカーさんや問屋さんにしてみれば、この大手スポーツチェーンとの取引を増やす方が、効率が良いです。また、地域の小売店さんに対しても、売上規模の大きいお店に取引を絞り込んでいっています。

現時点では、この戦略は間違ってはいません。しかし、残念ながら、結果的にこの戦略は全国1万に及ぶ中小小売店さんをないがしろにすることになってしまいます。これでは、とても「三層一体」とは言えません。

とはいえ、すでに舵は切られてしまいました。中小の小売店さんにとっては大変な時代の到来です。だからこそ、中小の小売店さんは知恵を出してがんばらなくてはなりません。そして、私は今こそ三層一体となって活動するときだと考えています。いえ、「三層一体」でなければ、中小小売店さんは生き延びていけないでしょう。

一方、大手メーカーさんは「三層一体」でなくても大丈夫です。海外に販路を延ばすことができます。自社ブランドのお店を出すこともできます。また、力のある問屋さんはスポーツ用品業界以外に販路を見つけることができるでしょう。「三層一体」でなくてもやっていけます。

ところが、中小の小売店さんは、なかなかそういうわけにはいきません。やはり、メーカーさん問屋さんの力を借りなければ生きていけないのです。では、そのためにはどうしたらいいでしょう。

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