批判覚悟でヤフーを連結子会社化したソフトバンク孫社長の皮算用

 

いよいよ10月に楽天が携帯電話事業に参入する。楽天にはインターネット通販、証券、銀行、決済、旅行などの事業があるなかでの携帯電話事業へのチャレンジだ。ユーザーを様々なサービスで囲い込み、楽天経済圏で回していくというのが強みになるのは間違いない。

ソフトバンクは通信専業に近く、そうしたサービスはどちらかといえばヤフーと分業してきた感がある。あらゆるサービスをポイントで回していくにはヤフーとソフトバンクの関係が密になる必要がある。今週、夏モデルが発表されたが、購入者にはPayPayのポイントが付与される。今後、ますますPayPayを軸にソフトバンクとヤフー、さらにはDiDiなどのサービスでユーザーを囲い込んでいくことになるだろう。

ただ、もともとヤフーは、ソフトバンクが携帯電話事業に参入する前は、どちらかといえば3キャリアからは中立な立場でのサービスだったことが魅力であった。この10年でソフトバンクやワイモバイル色が強くなったが、今回の連結子会社化で、さらにソフトバンク色が強くなることで、マイナス面も出てきそうだ。

「ソフトバンクユーザーなら便利なヤフー」となれば、結果としてNTTドコモやauユーザーが離れていく可能性も考えられる。連結子会社化に向けて、ヤフーの立ち位置をどうバランスをとっていくかが、重要となっていきそうだ。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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