決算、大幅減益の深刻。日本企業を覆う米中覇権争奪戦の黒い霧

 

まだ「序の口」

日本企業は先行きについてどう見ているのでしょうか?

上場1,121社の決算集計では、今期(20年3月期)は下半期以降の需要回復を期待して6.0%の増益を見込む。
(同上)

私は、「悲観論者」ではありません。しかし、起こっていることは、正確に把握しておく必要があります。普通に考えれば、「今期は6%の増益というのは難しいでしょう。この予測には、

  • アメリカが5月10日、中国からの2,000億ドル分の輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げたこと
  • トランプが、残りのすべての中国からの輸入品3,000億ドル(約33兆円)相当に対する追加関税の引き上げ手続きに着手するようにと命じたこと
  • 中国は、アメリカから輸入する年600億ドル(約6.6兆円)相当の製品に課している追加関税率を現在の10%から25%に引き上げる報復措置を発表したこと

などが、織り込まれていません。つまり、これらのファクターが起こる前に発表された2019年3月期決算は、「まだだいぶマシ」といえる。つまり、「危機は序の口。もっと悪くなる」といわざるをえない。

安倍総理は、是非「消費税引き上げ中止」を決断してほしいと思います。

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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