(2)オンライン・ブランドは増加傾向
サービス・プラットフォームとしての小売店舗が今後も増える可能性が高いと考えられている。なぜなら、オンライン企業による実店舗は、今後も確実に増加するとみられている。
インターネット上のみのD2Cビジネスだったメガネ・ブランドのワービー・パーカー(Warby Parker、95店舗出店済み)やメンズ・ブランドのボノボス(Bonobos)などのように直営で店を出す場合もあるが、そこまで資金がない企業も多い。
また、すでに数多くのD2Cブランドがあるが今後、増えることが予想されている。そして、実際に商品を手にとってみてもらうことで体験を提供し新規客を増やしたいと考えているD2Cブランドも多いのだ。
Eコマースの拡大により続々と閉店したり規模を縮小するこれまでの伝統的な小売店舗は新たな小売店舗として、サービス・プラットフォームとしての小売店舗になっていくと予測されている。
実際、不動産市場調査会社JLLは2018年11月に「Eコマース小売業者が今後5年間に850もの実店舗を開店する計画」と題した調査レポートを発表しているほど。
ご参考: ● Four things America’s clicks-to-bricks retailers have in common
なお、当該レポートでは、出店地としてこれまで41%ものオンライン・ブランドがニューヨークを選んでおり、12%で同率2位だったロサンゼルスとサンフランシスコを大きく引き離しているという。さらに、ニューヨークの中でも最も人気なのはソーホー地区で、ほぼ半数の48%に選ばれている。
そんなわけで、今後、ニューヨークの特にSOHO周辺エリアには米国で注目の小売形態であるサービス・プラットフォームとしての小売店舗が増えていくと思われる。
小売関係者は視察場所として必見だし、まったく関係ないよという人でも、今、アメリカで人気のD2Cブランドを一気に見れるので効率的なショッピングができると思う。
image by: kennejima [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons