選挙までは2万円台死守の日銀砲「忖度相場」を砕く米国の無慈悲

tsuda20190610
 

一時は2万円の大台割り込みも必至かと見られた日経平均株価ですが、6月2週以降は大きく崩れることなく「小康状態」を保っているかのようにも見受けられます。この状況を「日銀による参院選前の2万円割れ回避という首相への忖度の結果」とするのは、メルマガ『国際戦略コラム有料版』著者の津田慶治さん。さらに津田さんは、選挙後安倍政権はトランプ大統領から容赦ない「日米通商交渉の成果」を求められることも避けられないと記しています。

目覚ましい成果が必要に

米トランプ大統領は、大統領選挙前に成果が欲しく米中貿易戦争での成果がないので、メキシコからの移民問題での成果獲得を目指して、関税UPの圧力を使用した。メキシコは米側の要求も了承して協議は成立したが、そこに目覚ましい成果を望むトランプ大統領がいる。今後を検討しよう。

日米株価

NYダウは、2018年10月3日26,951ドルで過去最高株価であるが、12月26日21,712ドルと暴落したが、その後は上昇して4月23日26,695ドルになったが、米中貿易戦争激化とメキシコ移民問題が出て6月3日24,680ドルまで下げた。その後、雇用統計が悪くパウエル議長発言で利下げ観測が出て、6月7日25,983ドルまで戻している。FRBの今年3回利上げ確率が上昇して、市場はそれを織り込みに行っている

日経平均株価も、同様に2018年10月2日24,448円になり、12月26日18,948円と暴落し、4月24日22,362円に上昇したが、米中米墨貿易戦争で6月4日20,289円まで下落した。米国で利下げ観測が出たことと、PBRが1倍割れ寸前で自律反発が出たこと、選挙前であり積極的な日銀のETF買いなどで6月7日20,884円になっている。しかし、米国ほどには戻していない

トランプ大統領は、再選の選挙に向けて成果が必要であり、特に中西部の激戦区でバイデン候補の方が支持率が高いことで、激戦区の労働者の支持が必要になっている。

前回の選挙で公約した保護貿易化や移民の排斥、ドル安などで、職を増やし賃金を上げることが、支持増には必要とトランプ大統領は思っているが、まだ十分具体的成果が出ていない。バイデン候補は、そこを突いてきている。

このため、早く具体的な成果が必要になってきたようである。中国との貿易戦争は、全面対決ムードになり、解決には長期間が必要であり、日本ドイツなどの自動車輸入減の成果が必要になっている。心配していた方向に来ている。

それと、突然のトランプ大統領のツイートで、市場は大きく動かされている。このことで、市場は安定的に推移できないことになる。メキシコの不法移民対応に不満で関税UPとのツイートで、世界は知ることになるなど、今後も大きく振らされることになる。

しかし、どうも、トランプ大統領は、株価が26,500ドル以上になると、対外的な強硬策が出てきて株価を下げ、株価が25,200ドル以下になると、株価を上げる方向に動くようである。今回は、大統領配下のPPT(緊急経済対策会議)が動き、雇用統計が悪いことでパウエルFRB議長を説得して、年内複数回の利下げ方向に向け、株価を上げたようだ。株価をよく制御しているようだがそんなにうまくいくのか疑問である。

日本でも、参院選挙が迫り2万円割れにしないように安倍首相に忖度して、日銀も積極的な市場介入している。日米通商交渉も参院選挙前には決着しないで、その後にトランプ大統領が望む成果を出す方向で、協議を開くようである。どちらにしてもトランプ大統領は、具体的な目覚ましい成果が必要であり、日本に対しても、自動車の輸出制限などの目覚ましい成果を求めてくることは確かである。

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