貰える額も変わらない。国民年金保険料が産前産後休業中は免除に

 

では産前産後休業の年金額の反映の仕方を見ていきましょう。

1.昭和63年12月2日生まれの女性(今は30歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

20歳になる平成20年12月から平成23年3月までの28ヶ月間は定時制の学生だった。定時制、夜間、通信の学生は平成14年4月からは学生納付特例免除の対象になったので、この28ヶ月は学生納付特例免除を利用した。なお、この学生の免除期間は将来の年金額には反映しないが年金を貰うための受給資格期間10年を満たすための期間には入る

また、この免除期間は未納期間とは違うので、障害を負って日常生活に著しい支障がある場合は障害基礎年金が満額保障(2級は780,100円、1級は1.25倍の975,125円)される。

平成23年4月から非正規雇用社員になったが、厚生年金には加入できずに平成25年10月までの31ヶ月間は国民年金保険料を毎月支払う。平成25年11月から平成30年6月まではサラリーマンの夫の扶養に入り56ヶ月間は国民年金第三号被保険者となる(国民年金第三号被保険者は個別に保険料は支払わなくていい。将来の年金財源は厚生年金被保険者全体でお金を出し合って支払われているから)。

平成30年7月からこの女性の年間見込み収入が130万円を超える事になったので夫の扶養に入れなくなって、また個別に国民年金保険料を支払う事になった。以後、令和元年5月までの11ヶ月滞納。

平成31年1月に妊娠4ヶ月と判明し、出産予定日が令和元年7月某日となった。国民年金保険料の産前産後休業免除が使えるようになったので、出産予定月の前月である令和元年6月から令和元年9月までの4ヶ月間(多胎妊娠の場合は6ヶ月)産前産後休業免除を申し出た。産前産後休業免除は出産予定月の前月から出産予定月の翌々月までという事。

令和元年10月から60歳前月の令和30年(2048年)11月までの350ヶ月間は4分の3免除とする(4分の3免除は将来の老齢基礎年金の8分の5に反映する)。←極端ですがそういう事でお願いします^^;

年金は65歳からの支給。

  • 65歳からの老齢基礎年金→780,100円÷480ヶ月×(31ヶ月+三号56ヶ月間+産前産後休業免除期間4ヶ月+4分の3免除期間350ヶ月×5÷8)=780,100円÷480ヶ月×309.75ヶ月=503,408円月額41,950円

あと、65歳以上、公的年金収入+前年収入が779,300円以下で、世帯全員が市民税非課税世帯だとすると年金生活者支援給付金が支給。年金生活者支援給付金は消費税10%引き上げと同時に始まる

対象者は900万人。年金に上乗せで給付金が支給されるらしい(hirokiまぐまぐニュース参考記事)

  • 令和元年10月から始まる年金生活者支援給付金→{5,000円(基準額)÷480ヶ月×保険料納付済み期間(31ヶ月+56ヶ月+4ヶ月)+10,834円(免除期間の場合の基準額)÷480ヶ月×350ヶ月}×12ヶ月=(948円+7,899円)×12ヶ月=106,164円

よって、65歳からの年金総額は

  • 老齢基礎年金503,408円+年金生活者支援給付金106,164円=609,572円月額50,797円

それでは今日はこの辺で。

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

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