毎日の仕事がスムーズに進んで行くのは理想的ですが、トラブル回避のために「直感力」を鍛えるという方法もあるようです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、「浅見帆帆子の宇宙につながる話」でもおなじみのエッセイスト・浅見帆帆子さんが、直感を仕事に活かすためのコツを解説しています。
直感力を鍛えるコツ 浅見帆帆子
まず、直感を受け取る方法について、大まかに分けると次の4つになります。
1番、理由もなくふと感じること。
2番、本音の感じ方。
3番がシンクロニシティ。
そして4番目が夢です。
この中でこれだけできればいいって思うくらい大事なのは、2番目の「本音の感じ方」です。これはあるものを見たり聞いたりした時に、そこから自分がパッと感じる感覚のこと。例えば、誰かに仕事の依頼を受けたとします。その時に「それいいね、乗った」と思うか、「どうも気が乗らない」と思うか。先入観や条件などの前情報がまったくない状態でどう感じたのか。それが直感なんです。
私は仕事のお話については、全部この直感で決めています。
直感で決めているというと、自由気ままですごく偉そうに聞こえますけど、私は自分の本音の感情が、一番最初にどう動いたかを大切にします。
この時、条件などに目をやって頭であれこれ考えては駄目なんです。ある企画を前にして心がわくわくしないのに、条件を見てやったほうが得かもしれないとか、あの人の紹介だから断れないとか、断ったら印象が悪く見られるとか、これらはあとから頭で考えてひねり出した理由であって、自分の本音を覆い隠してしまうことになるんですね。
逆に、わくわくしている自分がいるのに、前に同じようなパターンで失敗したから今回も失敗するんじゃないかとか、こんなおいしい話は世の中にはないだろうとか、頭で考えているうちに一番最初にやるぞって思った感情が、だんだんと萎んでしまう。せっかく未来からのわくわくする提案がきているのに、世間の常識や自分の思い込みの枠でブロックしてしまう──。
実際、私も初めは随分迷いました。自分の気持ちがわくわくしないとか、気持ちが乗らないという理由だけでお断りするのって、すごくわがままなことに感じますよね。
ただこれは実験をしてみるとすぐ分かるんです。もやもやして気持ちが乗らないのに、条件がすごくよくて、時間的にも余裕があるからっていうことでそのままお引き受けすると途中で必ずおかしなトラブルが起こるんです。
結局、最初に感じていたすっきりしない感覚のままに進んでいくことがほとんどですね。
※ 本記事は月刊『致知』2010年12月号 特集「発心、決心、持続心」から一部抜粋・編集したものです。
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