午後の部に入り、私は「文化の違い」を克服していくためにはレッドチーミングが有効ではないかと提案しました。グレン博士のコメントにも出てきた言葉です。 レッドチーミングとは、高い能力を備えた仮想敵のチームがあらゆる角度から攻撃をかけ、問題点を洗い出していく手法です。災害や事故、テロに対しても応用することができます。これを実行すれば、文化の違いに始まり、情報共有の不十分さなども一目瞭然となり、優先順位をつけて問題点の克服を図ることができます。
これについては、パネリストで出ていた米太平洋陸軍司令官のロバート・ブラウン大将から重要なコメントがありました。 「米国側ではレッドチーミングは当たり前のこととして実施しているが、日本人はメンツにこだわるので無理かもしれない」というのです。よくわかってるなぁ。文化の違いを理解するとは、こういうことなのです。正鵠を射たコメントでした。
私は、そうした日米の文化の違いを前提に、日米共同でレッドチーミングを実施することを提案しましたが、それもまた総括に盛り込んでくれました。 かなり混ぜ返すことになったのかもしれませんが、私にとって意味のある2日間でした。これを日本の危機管理の向上に活かしていくことが、これからの仕事となります。(小川和久)
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