NY在住日本人社長がスコットランド旅行で遭った数々の意地悪体験

 

結局、エディンバラに滞在した2日間は、ずっと雨でした。でも、決して嫌な雨ではなく、天気雨というか、すぐに降ってはまた止んで、で、またすぐ降って、すぐに止んで、の繰り返しでした。炎天下のニューヨークから行ったので、それはそれでありがたい天候でした。でも、僕の中では、街全体が暗いイメージになってしまった。それはただの天候のせいだけど。

2日目の朝、天然の要塞、エディンバラ城に上がるまでの間、歩道に一匹のカタツムリがいるのを発見します。雨上がりの舗装された道路に、そう大きくはないカタツムリ。生きたカタツムリなんて見るのは何年振りだろう。いや、何十年ぶりだろう。ついつい動画を撮って、ニューヨークの4歳の息子に送ってしまう。「カタツムリー!!!!」とそれを見て興奮する息子の姿をまた動画で送ってもらい。

昔はひとり旅に出ることが大好きでした。そのために生きていたと言っていいほど。世界のまだ見ぬ場所に飛び込むことそれ自体が生きがいでした。瀬戸内海の片田舎に生まれ、自営業をやっている父の家で育ち、自分の生まれた場所より1歩でも遠くへ足を運ぶことが、生きている意味でした。今は、カタツムリの動画を送れるホームがあることが、生きがいに変わりました。

今から行くエディンバラ城が歴史的にどんな重要遺産でも、どんな荘厳な光景でも、本当は、生きたカタツムリに興奮する息子の笑顔に比べれば、僕にとっては、そんなに意味がない。そう思えるようになりました。

その後、そのエディンバラ城にも、そしてスコットランド美術館にも、あのスコットランドの女王メアリー・クイーン・オブ・スコッツにまつわるエピソードが数多く残るホリルードハウス宮殿にも足を運びましたが、結局、エディンバラという街の最大の思い出は、朝に出会った、夜露に濡れた一匹のカタツムリ、でした。

ガイドブック的は紀行文は、オレ、ぜったいに書けねえな・笑。翌朝、かなり早起きしてウェイヴァリー・ブリッジ駅に向かいます。そこから、今回の旅のメインイベントであるネス湖に行くために。

エディンバラ中心地にある、街最大のターミナル駅ウェイヴァリー・ブリッジ駅はかなり大きくて立派な駅でした(と言っても東京駅の10分の1くらいの規模だけど)この駅を中心に北側がニュータウン、南側がオールドタウン。つまりこの駅を境に街が二つに分かれます。

かなり早朝に到着したので、まだ飲食店はそんなに開いてない。朝ごはんに普通のスーパーマーケットに入りました。お目当は「スコッチエッグ」。やっぱりこの国に来たからには本場のスコッチエッグも食べとかないとな、と思ってはいたものの、あまりに定番の家庭料理らしく、レストランではそう見かけませんでした。でもスーパーマーケットには、やはり必ず置いてありました。駅構内のベンチで食べてみます。当然、レンジで温めないと美味しくはない。でも、冷たいことを差し引いても、そう美味しくは感じられない。

unnamed-17

結局、カレー然り、ラーメン然り、どこの国の代表料理であれ、日本人がいちばん美味しくアレンジしちゃいます。でも、あとで聞いた話、イギリス人は、スコッチエッグを温めず、そのまま食べるんだって。ちょっと驚く。

print
いま読まれてます

  • NY在住日本人社長がスコットランド旅行で遭った数々の意地悪体験
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け