NY在住日本人社長がスコットランド旅行で遭った数々の意地悪体験

 

部屋に入り、充電器のコンセプトが、アダプターがないと差し込めないことに気づきました。受付まで降りて、アダプターを借りようとお願いします。また人のいい笑顔で「ない。ごめんなさい」とひとこと。で、目を下に向けて作業続行。まるでなにごともなかったような態度。「いや、ホテルのホームページ上では、アダプター、無料で貸し出ししてるって書いてあるけど…」と食いさがると、また気のいい笑顔で「わかった、はい」と後ろの引き出しからアダプターを取り出して、僕に渡して、またテーブルに目を下ろします。でも、その人のいい笑顔の前に、ゼロコンマ1秒、死んだような目になってるのを見逃しませんでした。めんどくさかったんだろうな(笑)

気づけば、日中から部屋で爆睡しちゃって、目が覚めたのは夜半12時過ぎ。どうしよう、旅先で昼夜逆転しちゃったよ。でも、しょうがない。それでも旧市街の中心だから営業しているお店はあるだろうと、真夜中に外に出てみると、平日とはいえ、営業しているバーが1軒か2軒…。お酒の飲めない僕ですが、それでも旅先ではビールくらいは飲んだりします。

バーに入り、カウンターのお兄さんに「ひとりだけど」というと、また気のいい笑顔で、テーブルの方に座りなよ、ウエイトレスが注文とりにくるから、と言われます。

で、テーブルで座ってると、目の前をウエイトレスが何往復もして、確実に目に入っているのに、注文をとりにきてくれない。こちらから話しかければ、さすがにオーダーを取りにくるとは思うけれど、ここまできたら、僕も意味のない意地が出てきて、絶対に、こっちからは話しかけない。

最初はアジア人に対する差別かと思っていました。ところが、隣の白人夫婦も同じようにスルーされている。同世代であろう白人夫婦と目があうと、同じことを考えていたのか、お互いに笑い合う。どっから来たの?と聞くと、カナダから旅行できた、と。なんで、注文とりにきてくれなのかな、と言うと、彼らは呆れ笑顔になり「That’s so scottish!(スコット人だからねえ)」と肩をすくめ、あきらめて、店を出て行きました。

さすがに1時間無視されたので、僕も怒りというより、興味津々になり、「あのー」とウエイトレスに話しかけます。すると彼女はまるで初めてそこに人がいるのに気づいたかのように、例の貼り付けた人のいい笑顔で「ハーイ!注文なににする?」と聞いてきました。スコットランド観光といえば、スコッチウイスキーの体験エキシビジョンが有名ですが、もともとお酒を飲めない僕。スコットランド産のビールだけ注文し、すぐに飲み干して外に出ました。丘の上のエディンバラ城がライトアップされていました。

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※もちろん、今回書いたスコットランドの方々の対応は、僕の気のせいでもあると思います。あるいは、たまたまそういった人たちに、運悪く、立て続けに遭遇しただけです。実際に、多くの日本人がスコットランドに暮らし、豊かな日々を送っています。あるいは、ニューヨーカーが、あまりに気さくすぎるだけのことなのかもしれません。あくまで個人が遭遇した経験談なので、スコットランド人全体がそうではないことだけは、念を押しておきます。

そしてもうひとつ。実はスコットランド人、スコッツは「イギリス人」ではありません。スコットランドがイギリスの一部のような書き方を便宜上していますが、厳密にいうとスコットランドはユナイテッドキングダムであって、イギリスでは、もちろんない。英国であるけれども、当然、イングランドでも、アイルランドでもない、スコットランド、です。当然ですが。

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