【書評】事実?陰謀論? 米国を動かしているのは影の支配者なのか

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「世界を混乱状態に陥れる張本人」のように受け取られがちなトランプ大統領ですが、どうも真相は違うようです。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、「トランプ大統領が政治生命をかけて戦っている相手」について書かれた一冊をレビューしています。

偏屈BOOK案内:馬渕睦夫『知ってはいけない現代史の正体』

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知ってはいけない現代史の正体
馬渕睦夫 著/SBクリエイティブ

トランプ大統領が政治生命をかけて戦っている相手は、アメリカだけでなく世界中を陰から支配してきたディープステートである。それは読んで字のごとし、「深く潜伏していて見えない国家」のことであり、我々が日ごろ目にする「表の国家」を陰から操ってきた「影の支配者」のことである。……といった、陰謀論みたいな話が大好きなわたしだが、それが真実の存在であると知った。

ディープステートとはWASP(白人エリート支配層の保守派)に代わり、アメリカのエスタブリッシュメントの座を仕留めたグローバリストから成る左派ユダヤ人社会のことを指す。彼らは主要マスコミを傘下に収めて世論を操作し、ドルの発行権を独占することで金融を支配し、CIAなど情報機関を配下に置いて世界の裏社会と通じ、軍産複合体と呼ばれる軍需産業と多国籍企業を掌握している。

ネオコンというイデオロギー政策集団を使い、世界戦略を遂行してきた。ロシアゲートに見られたように、司法界の要所を押さえて、党派的な捜査や裁判により政敵を沈黙させてきた。……SF小説ではなかったんだ。しかも、彼らが実権を握り世界に影響力を及ぼし始めたのは、実に100年も前のウィルソン大統領の時代からで、世界の歴史の実態は我々が教科書で学ぶ歴史観とは全く違う

「保守」対「リベラル」という考え方は錯覚で、事実上、「その他の人々ユダヤ系の人々」である。これはもはや秘密でもなんでもない。学会、マスメディア、娯楽産業など、アメリカ社会で影響力の大きい様々な分野の要職を制圧、定着している。日本の学者、ジャーナリスト、評論家、知識人、いまやみんなそろって、戦後民主主義体制という利権構造にどっぷり浸かっている。

著者が基本とする歴史の見方、情報分析の方法とは、

  1. 情報は公開情報のみで分析する
  2. 裏情報には危険があるので近づかない
  3. 結果から原因を類推する

である。利権構造を打破した立場から、間違った歴史修正主義を含む「偽りの歴史観」(フェイクヒストリー)を見破り、正しく読み解いていく。

1945年:GHQによる日本占領

  • 通説=軍隊の解散、女性解放、農地改革、教育改革などの民主的改革を実施した
  • 歴史の真相=日本を弱体化するため社会主義化することを目的とした。日本を精神的に立ち直れない国にしなければならないとアメリカが考えた最大の理由こそは、広島・長崎に原爆投下したアメリカに対する日本人の復讐への恐怖心である。日本は当然その権利を持っている

1989年:ベルリンの壁崩壊

  • 通説=ソ連は内部矛盾で崩壊、冷戦体制終焉を象徴する出来事だった
  • 歴史の真相:ソ連は存在の必要がなくなったため使い捨てられた

2001年:アメリカ同時多発テロ

  • 通説:湾岸戦争後、イスラム急進派のなかで高まった強い反米感情が原因である
  • 歴史の真相:世界的に対テロ戦争を遂行するために、アメリカがシナリオを書いた可能性が高い

2016年:米大統領選でトランプ勝利

  • 通説=トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」は大衆迎合主義である
  • 歴史の真相=「アメリカ・ファースト」とは政治を影の支配者の手からピープルに取り戻すことだ。ポリティカル・コレクトネスにうんざりしていたピープルの本音を代弁した。反グローバリズムという、世界の社会主義化に反対するトランプの姿勢こそ正しい

編集長 柴田忠男

image by: Michael Candelori / Shutterstock.com

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【著者】 日刊デジタルクリエイターズ 【発行周期】 ほぼ日刊

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