ビジネスの現場で「目的・目標・ゴール」といったワードは頻繁に使われますが、それぞれの言葉の持つ意味合いとその効用は全く違うといいます。今回無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では、著者の石丸智信さんがそれぞれの違いを解説するとともに、ものごとをやりきるための考え方やコツを紹介しています。
目的、目標、ゴールを分けてみよう
以前、若手リーダーを対象とした研修を聴講する機会がありました。その研修の中で、「目的・目標・ゴール」というテーマを取り上げて、そのそれぞれの違いについての講義がありました。
改めて、「目的と目標、ゴールの違いは、何ですか?」と問われても、すぐには答えられないのではないでしょうか。
本号では、聴講した研修で学んだ内容を踏まえて、目的と目標とゴールの違いについて考察していきたいと思います。
まず、以下の例題の各項目を「目的」「目標」「ゴール」に振り分けてみましょう
- 脚力を10パーセント強化する
- 今月、合計100キロを走りこむ
- 10キロのタイムを3ヶ月で後3分短縮する
- 今年の最終レースで優勝する
- 自分が可能性に挑戦することで、子どもたちに夢を持つことのすばらしさを伝えたい
- 次のオリンピックで金メダルを取る
ここで、研修の中での講義では、目的・目標・ゴールの定義については、以下のように定義づけられていました。
- 目的とは、成し遂げようと目指す事柄の真の動機
- 目標とは、目的を実現するために設けた目当て
- ゴールとは、目的のための最終的な目印(=目標の最終到達点)
では、この定義を踏まえて、上記の6項目を振り分けてみましょう。
- 目的…(5)
- ゴール…(4)(6)
- 目標…(1)(2)(3)
それぞれに振り分けた各項目を文章化してみます。
目的
私は自分が可能性に挑戦することで、子どもたちに夢を持つことのすばらしさを伝えたい。
ゴール
そのために、次のオリンピックで金メダルに挑戦します。だから毎日努力して、今年の最終レースで優勝します。
目標
そのために、10キロのタイムをあと3ヶ月であと3分短縮し、今月、合計500キロ走りこみ、脚力を10パーセント強化します。
というような文章を作りました。
目的とは、何のために、その物事をやるかということです。そして、目標は、最終的な結果であり、ゴールに向かうためのいわば中期目標になります。つまり、最初に「目的(動機)」があり、それを実現するためのプロセスの方向付けが「目標」であり、最終的な結果が「ゴール」となるのでしょうね。
私たちは、目標とゴールについては、よく考える傾向にあるように思います。そして、自分または相手を評価する時にも、目標やゴールを見て、達成したか、しなかったなどと評価することが多いように思います。
しかし、今回聴講した研修の講師も「本来は目的こそが一番大切なもの」と講義されていました。やはり、目標やゴールに掲げた物事を何のためにやるのかという目的(動機)を明確にすることがとても大切になると思います。
この目的(動機)を明確にするとともに、強い想いがあればあるほど、その目標やゴールに掲げた物事に対するモチベーションが高まります。ですから、目標やゴールから考えたとしても、一度、「何のためにその物事をやるのか」と、目的を考えてみることも大切になるのではないでしょうか。
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