日本の「AI人材教育」に意味がないワケ
Artificial Intelligence: Salaries Heading Skyward
「AI エンジニア」の給料が高騰しているという話です。この記事で紹介されている Indeed.com のデータによると、シリコンバレーのソフトウェア・エンジニアの平均給与は $134,135 (約1420万円)ですが、AI エンジニアの場合は $169,930(約 1800 万円) だそうです。
ちなみに、この記事で紹介されている「AI エンジニア」とは、単に AI 関係のプログラムが書けるだけでなく、しっかりとした科学知識を持った、博士号や修士号を持ったエンジニアのことで、New York Times によれば世界に1万人しかいないそうです(Element AI によれば2万2千人)。
AI 教育に関しては、カーネギー・メロン、MIT、スタンフォード、University of California、University of Washington がトップ5の教育機関として紹介されています。
結局のところは、「AI エンジニア」を育てるには、高等教育を充実させるしかないのです。日本政府は文系の学生にもAIの初等教育を受けさせるという「AI戦略」を立てたそうですが(参照:政府「AI戦略」を発表 、新たなAI人材教育を業界はどう見る!? ーすべての高校生・大学生がAIの基礎を習得へ)、行列や統計の勉強をしていない学生に「AIプログラミング」だけを教えても意味はないと思います。
そんな表面的なアプローチよりも、高校での行列や統計の授業を充実される、数学が優秀な学生が進学しやすくする、優秀な理系の学生には返済不要な奨学金を与える、などのアプローチの方が私は効果的だと思います。
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※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2019年9月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。