日本のテレビは絶対に報じない。イラン戦争「真の原因」は核兵器保有寸前の実態にあった?

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米国とイランが2週間の停戦に合意しました。トランプ大統領が「石器時代に戻す」とまで脅していたイランへの攻撃がひとまず止まりましたが、そもそもこの戦争はなぜ起きたのでしょうか。日本のテレビが報じない「核兵器保有寸前のイラン」という深刻な実態があります。今回のメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、国際関係アナリストの北野幸伯さんが、停戦合意の背景と今後の行方を鋭く分析します。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:アメリカとイランが2週間の停戦で合意~その後は?

アメリカとイランが2週間の停戦で合意~その後は?

アメリカとイランが、「2週間の停戦」で合意したようです。

『時事』4月8日。 『米イラン、2週間の停戦合意 ホルムズ海峡開放が条件 エスカレーション、直前回避』

〈トランプ米大統領は7日夜(日本時間8日朝)、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡の開放を条件として、イランに対する戦闘を2週間停止すると明らかにした。

イランのアラグチ外相も8日、同国への攻撃が停止されれば、応戦しないと表明。また、2週間はホルムズ海峡の安全な通航が可能と強調した。〉 ーーー

トランプはこれまで、ホルムズ海峡を開放しなければ、橋、発電所などを攻撃し、イランを「石器時代」に戻すと発言していました。

ホルムズ海峡封鎖は、94%の原油を中東から輸入する日本にとって超大問題。

それで、アメリカとイランの停戦合意は、「めでたい」ということでしょう。

その後は、どうなるのでしょうか?

イラン戦争の真因は「核兵器」だった

日本では、「トランプのイラン戦争は国際法違反」という点ばかりが注目されています。

しかし、この戦争には、一つ重要な「大義名分」があります。

それは、【 イランが核兵器保有を目指していたこと 】です。

この件で、日本のテレビをみていると、「そもそもイランが核兵器保有を目指していた証拠はない」といっている「専門家」がいました。

ですが、イランが核兵器保有を目指していたのは、明らかです。

『時事』2023年3月5日。

<イランを訪問した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、ウィーンの空港で記者会見し、イラン中部フォルドゥの核施設で核兵器級に近い濃縮度83.7%のウラン粒子が検出された問題について「その水準の濃縮ウランは蓄積されていない」と述べた。> ーー

「核兵器開発には濃縮度90%以上が必要」とされている。

イランは2023年3月時点で、濃縮度を83%まで上げていた。

つまり、2023年内に核兵器を保有する可能性が高くなっていました。

IAEAの査察拒否と開戦への道

そして、イランは2023年9月、IAEAの査察を拒否します。

日経新聞2023年9月17日付。

<国際原子力機関(IAEA)は16日の声明で、イランからIAEAの一部査察官の受け入れを拒否すると通告があったことを明らかにした。

査察官はウラン濃縮などを検証している。

グロッシ事務局長は「強く非難する」と述べ、査察に深刻な影響が出るとして再考を求めた。

国際社会の懸念が一層強まるのは必至だ。> ーー

これは、普通に考えて「いよいよ核兵器保有が近づいている。そのことがバレないようにIAEAの査察を拒否している」と考えられるでしょう。

イランが査察を拒否した翌月の2023年10月、イランの手下ハマスが、イスラエルを奇襲。

1200人を虐殺しました。

それで、イスラエル vs ハマス、ヒズボラ、フーシ派、イランの戦争がはじまったのです。

ですから、時系列で丁寧に見てみると、【 イランが核兵器保有一歩手前までいっていたこと 】が、戦争の真因なのです。

そして、2025年6月、イスラエルとアメリカが、イランの核施設を攻撃しました。

ところが、イランはその後も、IAEAの査察を認めなかった。

要するに、アメリカ、イスラエルから見ると、「イランは、相変わらず核兵器保有を目指している」ように見える。

それが、2月28日にはじまった「イラン戦争」の真因なのです。

停戦後の行方と各国の思惑

では、1カ月以上つづいた戦争で、イランは核兵器保有を断念したのでしょうか?

『ブルームバーグ』3月20日。

〈イスラエルのネタニヤフ首相は、約3週間に及ぶ戦争の結果、イランはもはやウラン濃縮や弾道ミサイルの製造ができなくなっているとの認識を示した。〉 ーー

ネタニヤフ曰く、「イランは『ウラン濃縮』をできなくなっている」そうです。

トランプさんは、盛って話すので、あまり信用できません。

しかし、ネタニヤフさんにとって、イランが核兵器を保有するかどうかは、「死活問題」です。

ですから、ネタニヤフさんがそういうのなら、イランは「ウラン濃縮できなくなっている」のでしょう。

つまり、「核兵器を開発する能力」がなくなっている。

このことは、「イランが核兵器保有を断念した」ことを意味しません。

しかし、「能力がなくなっている」というのは、イスラエルにとって「しばらく時間ができた」ということです。

ですから、トランプは、「イランの核兵器製造能力は失われた!」と勝利宣言し、幕引きをはかるかもしれません。

これ以上長引いてインフレが加速すると、「中間選挙での負け」が確定してしまいます。

一方、イランはイランで、「アメリカ軍を追い返した!」と勝利宣言するかもしれません。

イランの核兵器製造能力が失われた。

そして、ホルムズ海峡が開放されて、原油が入るようになる。

これは、ほとんどすべての国にとって、めでたい終わり方でしょう。

うまくいくことを願いましょう。(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2026年4月8日号より一部抜粋)

image by: The White House - Home | Facebook

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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