今井絵理子をスピード解任させそうな「元」不倫相手の寒い懐事情

 

しかし、2017年7月27日発売の週刊新潮に掲載された写真は青天の霹靂だった。参院選を熱心に手伝っていた神戸市議の橋本健氏と今井氏が新幹線の車内で手をつないだまま居眠りしている。そして記事は二人が不倫関係であることを伝えていた。

今井氏に期待をかけていた山東氏がどれほど大きな衝撃を受けたかは想像に難くない。今井氏と橋本氏はマスコミに追われ、「一線を超えていない」などと、その場を繕おうとしたが、騒ぎはエスカレートするばかりだった。今井氏は山東氏のもとを訪れ「離党でも、除名でも、辞職でも、なんでも山東さんの言うとおりに従います」と謝罪したという。

歯科医でもある橋本市議には妻子がいた。妻とは「婚姻関係は4、5年前から破綻していた」というが、真偽のほどはわからない。ただ別居しはじめたのが2016年の8月なのは確かだろう。

橋本市議が今井氏と出会ったのがその4か月ほど前、自民党兵庫県連青年局青年部が主催する勉強会に今井氏を講師として招いたときだった。もともとファンだったという橋本氏が実物の今井氏と出会って即座に恋に落ち猛スピードで離婚に走り出したということだろうか。

不倫とはいえ、人の恋路の邪魔をしたくはないが、激情に前後の見境もなくなるようでは、税金から報酬や必要経費を支給されて公的な仕事をする議員として、いささか資質に欠けると言わざるを得ない。「障害をもつ子供たちのためにと政界に出た今井氏と、妻子を顧みないばかりか政務活動費の不正受給まで明るみに出た橋本氏に、世間のバッシングが浴びせられたのは仕方のないことだった。

今回の内閣改造で今井氏を内閣府の政務官に送りこんだことは、山東氏にとって大きな賭けである。

案の定、この人事が発表されるやいなや、ネット上には多くの批判の声があがった。政務官ともなれば、国会で答弁を求められる機会も増える。野党からは、不倫も含めた厳しい質問が飛ぶだろう。

しかし質問に耐え抜いて、無難に役目を果たせば、やがてほとぼりもさめ自民党内における地位が確立されていく可能性もなくはない。安倍一強という閉塞的な「安定」に守られて、甘利明氏や小渕優子氏らの疑惑も世間の記憶から薄れ、徐々に復権のきざしをみせている。山東氏はそんな状況に希望をつないでいるのかもしれない。

山東氏は5月に77歳になった。党の規約では参議院比例区は70歳が定年である。にもかかわらず、2013年に続き特例で公認されて今夏の参院選に出馬参議院史上初の8期目の当選を果たした。そして女性では扇千景氏以来2人目の参議院議長に選出された。議長就任とともに麻生派を離れたが、むろん形だけのことだ。

こうした山東氏の栄達は、政治家としての実績のたまものといわれるが、失礼ながら、筆者は山東氏がどのような政治的功績をあげたか、よく知らない。せいぜい、知り合いだった尖閣諸島の地主を東京都知事だった石原慎太郎氏に引き合わせて島の購入の仲介役のようなことをしたことが奇怪な印象として残っているくらいだ。

その他では、障害者施設での殺傷事件をめぐって「犯罪をほのめかす人にGPSを埋め込むようなことを議論すべき」と言ってみたり「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」と述べるなど、ときおり人権への配慮を欠いた発言をすることもある。そういう点でも、麻生氏とは気脈が通じるのだろうか。

そうでなければ、小なりといえども12人の国会議員を擁する派閥「番町政策研究所」の領袖だった山東氏が2017年7月、実質的に吸収されることになる麻生派への合流を決断する道理がない。

いずれにせよ、今井氏は、子どものいない山東氏にとって唯一の後継者的存在なのである。スキャンダルで今井氏を失うわけにはいかない。今後も、山東氏の力の及ぶ限り、今井氏を擁護したいのはやまやまだろう。

だが、巷の噂では、橋本氏は経済的苦境にあるという。歯科医院も閉めているとも聞く。今井氏が彼を救うため、事務所のスタッフにすれば、また週刊誌沙汰になるに違いない。

print
いま読まれてます

  • 今井絵理子をスピード解任させそうな「元」不倫相手の寒い懐事情
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け