日本交通の場合はどうなのか?
日本交通での仕組みは、ここまでの情報が出るわけではなく、アプリで乗降場所を指定すると、システムによって料金を計算し、事前に運賃が決まります。料金は、降りるときに、現金やクレジットカードで支払うというもの。
しかしこれでも、乗車までのプロセスが、今よりかなり便利になりますし、渋滞で多少時間がかかったとしても、料金は変わらないそうなので、安心してタクシーを利用することができます。
この背景には、タクシー乗車数の減少に対応すること、また自分で運転をすることが難しい高齢者への対応、そして増える外国人観光客への対応があります。
日経新聞の記事によると、日本交通の川鍋会長は、「経路と料金が明確になれば、乗客の満足度向上につながる」と、期待しているとのことです。さらに、外国人旅行客からすると、日本語がわからなくてもスマホアプリで大丈夫だ、という安心感で利用もしやすくなるでしょう。
配車アプリの使い道
このように、お客様がアプリを使い、事前確定運賃で乗車降車するようになれば、そのお客様たちのデータ、たとえば、お客様がどの時間にどの辺でどこまで行くのか、この天気であれば、何時頃に乗降するのか、を集めることが可能になります。
このようなデータが蓄積されていけば、ビッグデータになるわけです。AIなどを活用して、データ分析ができるようになり、お客様の行動を推測することができるようになります。そうなると、より効率よく配車をすることもできるようになり、生産性も上がります。
もちろん、お客様の属性などの傾向も、データとしてとれるようになるので、より深いサービスを生み出すこともできます。ITの進化はこのように、お客様の行動を「見える化」してくれるので、これを利用しない手はありません。
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