タクシー会社大手の日本交通はなぜ事前確定運賃を導入したのか?

 

日本交通の場合はどうなのか?

日本交通での仕組みは、ここまでの情報が出るわけではなく、アプリで乗降場所を指定すると、システムによって料金を計算し、事前に運賃が決まります。料金は、降りるときに、現金やクレジットカードで支払うというもの。

しかしこれでも、乗車までのプロセスが、今よりかなり便利になりますし、渋滞で多少時間がかかったとしても、料金は変わらないそうなので、安心してタクシーを利用することができます。

この背景には、タクシー乗車数の減少に対応すること、また自分で運転をすることが難しい高齢者への対応、そして増える外国人観光客への対応があります。

日経新聞の記事によると、日本交通の川鍋会長は、「経路と料金が明確になれば、乗客の満足度向上につながる」と、期待しているとのことです。さらに、外国人旅行客からすると、日本語がわからなくてもスマホアプリで大丈夫だ、という安心感で利用もしやすくなるでしょう。

配車アプリの使い道

このように、お客様がアプリを使い、事前確定運賃で乗車降車するようになれば、そのお客様たちのデータ、たとえば、お客様がどの時間にどの辺でどこまで行くのか、この天気であれば、何時頃に乗降するのか、を集めることが可能になります。

このようなデータが蓄積されていけば、ビッグデータになるわけです。AIなどを活用して、データ分析ができるようになり、お客様の行動を推測することができるようになります。そうなると、より効率よく配車をすることもできるようになり、生産性も上がります。

もちろん、お客様の属性などの傾向も、データとしてとれるようになるので、より深いサービスを生み出すこともできます。ITの進化はこのように、お客様の行動を「見える化」してくれるので、これを利用しない手はありません。

image by: dennizn / Shutterstock.com

理央 周この著者の記事一覧

ビジネス・仕事に大事なのは、情報のキモに「気づき」どう仕事に「活かす」かです。トレンドやヒット商品には共通する「仕掛け」と「思考の枠組み」があります。このメルマガでは、AI、5G、シェアリングなどのニュースや事例をもとに、私の経験とMBAのフレームワークを使い「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説していきます。現状を打破したい企画マン・営業マン、経営者の方が、カタくなっている頭をほぐし情報を気づきに変えるトレーニングに使える内容です。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】 』

【著者】 理央 周 【月額】 ¥825/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第2火曜日・第4火曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • タクシー会社大手の日本交通はなぜ事前確定運賃を導入したのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け