見返りは期待しない。してあげるは「あげる」をすることと心得る

shutterstock_442582660
 

何かを「してあげた」際に相手からの感謝を十分に感じることができず、不満を抱いたことはないでしょうか。教育の現場でもビジネスシーンでも、そんな意識が大きくなると問題が起きてしまうものです。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、「してあげたこと」に見返りを求めない大切さを、わかりやすく解説しています。

「してあげる」は見返りなしのプレゼント

「してあげる」ということについての一つの観。

学校は子どもに何かとしてあげる場である。いくら主体的に、といっても、何もしてあげない訳にはいかない。教育の場なのだから、当然である(親が子にしてあげるということも同様である)。

さて、「してあげるの意識が多いほどストレスがたまる。こんなにしてあげた「のに」が登場するからである。

ここの意識を変える。してあげたのだから返ってこなくてよいと考える。「あげた」ものを「返せ」というのは、横暴である。「いつになったら返すの」とか言われたら、もらったと思っている方はびっくりする。

「あげる」は「貸し」とは違う。「あげるというのはプレゼントである。見返りを期待するものではないし、相手が喜ぶかどうかも、相手主体、相手次第である。

プレゼントの最大の恩恵は何かあげる側の幸福感である。相手の喜ぶ顔を期待する幸福感である。選ぶ段階から楽しいのが、プレゼントの本質である。

プレゼントを渡した相手が、喜ばなかったとする。「これいらないやと言うこともある。この時、相手を非難するのはおかしい(まあ、子どもでなかったら、通常「嬉しい」「ありがとうございます」ぐらいは言うという礼儀はある)。たまたまプレゼントの選択が良くなかったのである。そこをくよくよしても仕方ない。

あげたらそれで終わり。見返りを期待しない。返してもらおうとしない。

こう考えるだけでストレスが大幅に減る。例えば、ものすごく力を入れた授業研で、子どもの反応が思うより良くなかったとする。そこに怒るのは、当然変な話である(授業がつまらないという証である)。

自分があげたくてあげたのだからそこまでである。見返りを期待しない。あらゆることに応用の効く観なので、紹介してみた。

image by: Shutterstock.com

松尾英明この著者の記事一覧

『まぐまぐ大賞2014[無料部門]教育・研究』の大賞受賞メルマガ。実践例を通して、教育観を磨きながら、具体的な手法にもふれていきます。「教育を志事にする」を信条に、真に役立つ実践的な情報だけを厳選してお伝えします。教育関係者を中心に、子どもに関わる全ての方々に向けて発信します。登録・解除ともにすぐできますので、ご一読よろしくお願いいたします。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術 』

【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

print
いま読まれてます

  • 見返りは期待しない。してあげるは「あげる」をすることと心得る
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け