文科省のアンケートを見ていたら気がついたちょっと残念なコト

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「早寝をして、早起きをし、朝食を毎日食べましょう」と正しい生活習慣などの学校での「正しい」と思われる教育行為は、学力テストの結果に影響はあるのでしょうか? 今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、文科省が掲載している全国学力状況調査の結果からわかった少し残念なことを紹介しています。

教育と習慣が全国学力テストの点数へ与える影響は?

世を騒がせ続けている、全国学力状況調査の結果についての考察。

最近、必要に迫られて、統計学を学び始めている。その中で「相関係数」というものが出てくる。要は、二つの事柄の間に、関係性があるかないかというものを1から-1までの数値で表したものである(計算式や方法はややこしいので省略)。目安として

  • 0.7~1.0 かなり強い相関がある
  • 0.4~0.7 相関がある
  • 0.2~0.4 弱い相関がある
  • 0~ 0.2 ほとんど相関がない

と読む。ちなみに「+」だと正の相関、「-」だと、負の相関になる。

Wikipediaにある例によると、先進諸国の失業率と実質経済成長率は強い負の相関関係にあり、相関係数は-1に近くなるという(失業率が上がるほど、確実に経済成長率が落ちる傾向。一次関数でほぼ直線右下がりのグラフ)。このようにして、次の文科省のページにある全国学力状況調査の結果を見てみる。

平成31年度(令和元年度) 全国学力・学習状況調査 調査結果資料【全国版/小学校】

以下は、このページの最下部の方にある、相関係数の入ったエクセルデータである。

相関係数(児童質問紙-教科)全国【表】

見るのが面倒な人もいると思うので、見ないでもわかるように結論から。

この結果を見ると、残念ながら、ほとんどすべての項目において、国語や算数の点数とは「相関がない」と読める。相関が見られたのは、算数、国語が「わかる」と答えた子どもと、それぞれの教科の点数に「弱い相関がある」という程度である。他は、生活習慣や学校での教え方、環境等のあらゆる「正しい」と思われる教育行為が、思った以上に点数と相関がないようである。

直接的に国語と算数の学力テスト対策の勉強をする、ということが最も効果があるのかもしれない。事前対策テストの頻度でも聞いたら、おそらく強めの相関が出るのではないかと思う(これは、体力テストでも同様。実施回数を増やすほど、確実に数値が上がる)。学校調査の方なら「事前テストをするように学校へ何らかの圧力がありましたか」ときけば、きっと相関が出るだろう。

相関係数という視点から見ると、単純な点数と、生活習慣や教育方法との相関はなさそうである。残念無念である。

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