なぜ今年の東京モーターショーは来場者の大幅増加に成功したのか

 

今年の東京モーターショーは何が違うのか?

今回とこれまでとの最大の違いは「事業コンセプト」です。事業コンセプトとは、「その事業で生み出す価値を、誰に提供するのか?」という、「事業を実行する意味」そのものを表します。その事業の「全体像」と言えます。

事業コンセプトとは、

  • 自社独自のプロダクト(製品、商品、サービス)を体験した
  • 自社が狙う市場のターゲット層が
  • 感じる価値

を指します。3つめの顧客価値とは、自社プロダクトを体験することによって、顧客が感じる利益のことです。

この事業コンセプトがはっきりしていればいるほど、顧客に選ばれる理由になります。逆にコンセプトが明確になっていない商品は、顧客から見たときの買う理由がはっきりせず、選ばれず、売り上げにもつながりません。

私が在籍していたときのアマゾンのコンセプトは、「本が好きな人が欲しいと思っている本を用意し、1秒でも早く届けます」というコンセプトが明確でした。

強調フィルタリングで、お客様の欲しい本を見つけ出し、「おすすめ本」としてメールでお知らせをしたり、サイトを毎日のように改善して、買いやすい環境を作っていたのです。

コンセプトが明確でないと、数多くある販売促進の手法に惑わされ、やらなくてもいいプロモーションをやってしまい、ひいては、売れなくなってしまうのです。

今回の東京モーターショーは、「OPEN FUTURE」と題して、自動車という枠にとらわれず、ひろく「未来のモビリティ(=移動)を核に、対象者を、自動車好きの人たちのみでなく、ファミリー層や若い層などに広げて、彼らに向けて様々なイベントを企画したのです。

「自動車を見に来てください」というよりも、「楽しみに来てください」という姿勢が溢れているように見受けられます。モーターショーのイベントPR動画は、先端の技術を使ってかなりかっこいい内容になっています。高度なCGでスピーディーな動画の中には、エグザイルも登場するなど、楽しく見ることができる内容になっていました。

会場の中も自動車の展示のみでなく、キッザニアや、ラジオブース、お笑いのライブステージがあります。ゲストにゴスペラーズがきたり、お笑い芸人さんのライブを観て楽しめる、という具合です。

会場そのものもかなり広く、会場内も電動スクーターで移動でき、まるでエンタメパークにいるような雰囲気です。

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