今年の東京モーターショーに何を学ぶべきか?
今回の東京モーターショーの事業コンセプトから学べることは、柔軟な発想で想定する来場者の幅を広げたこと。やはり自動車関連のイベントだと、「自動車に興味がある人」という固定観念から、自動車好きな人が楽しめる内容になりがちです。そうなると、より多くの人たちにアピールすることができません。
ターゲット層が欲しいものを的確に提供できていることです。通常は、企業が売りたいものと顧客が買いたいものは違います。企業は電動ドリルを売りたいのですが、お客様が欲しいのは正確に開く穴です。
今回の東京モーターショーで売りたい・アピールしたいのは、もちろん自動車なのですが、お客様の方が欲しいのは、「目的地までの快適な移動」です。そこを軸にして実現しているのが見事でした。
ここのところ、コネクテッドサービスという、自動車がインターネットに直接繋がり、より便利に目的地まで行ける考え方が実用化されてきています。運転を支援する技術や自動運転が発達し、今までの自動車とはかなり違う、「クルマ」の姿が見え始めてきます。そこで、メーカーとして消費者に先んじて、「将来はこうなる」という未来像を提示したのが、今回のモーターショーといえるでしょう。
お客様が何かを買うときの決め手は、「この商品を買う価値があるかどうか」です。買うに至るまでには、値段や機能など色々と考えますが、まずお客様に見せるべきは、「この商品を使ったらあなたはこうなる」と、見せてあげることです。
今回のモーターショーはそれを見せているという意味で、参考になる事例でした。
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