接客のプロは自分が「接客される」時、販売員の何を見ているのか

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販売員が「接客を受ける側を体験」することはスキルアップにとても有効なため、研修でも取り入れられていますが、その後の自分の接客に生かせるタイプとそうでないタイプに別れるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、その差はどこから生じるのかをプロの視線で解説しています。

接客を受けるなら

接客をする販売員にとって、接客を受ける機会というのは、とても大事な勉強の機会です。どんな接客をされれば嬉しいと感じるのか、逆に、どんな接客をされれば、嫌な思いをすることになるのか。そうしたお客様としての視点を持ちながら接客を受けていくことで、自分自身の接客の糧にすることができます。

だから、自分だけではなく、自店のスタッフも含めて、接客を受ける機会を作ってもらうのは、とても良いことです。

ですが、同じように接客を受ける機会があっても、それが仕事に生かせる人とそうでない人はいます。その違いは、どこを見るかを決めているかどうかに尽きると感じます。

例えば、販売を教えている学校の授業などでも、生徒に接客を受けに行ってもらうことがあります。しかし、受けに行ってもらう際に、「良い接客がどんなものか考えながら行ってきて」と伝えても、ほとんど何も得るものがないまま帰ってきます。

その原因はシンプルで、「良い接客という視点が大きすぎて、どこを見ればいいかがわからなくなるのです。だから、接客を受けてみても、「なんか良かった」「いい感じだった」という曖昧なものしか得られません。

これが、「一番最初にどんな声をかけられるかという視点を持たせると、大きく変わります。1つのことに絞っているため、「こういう声をかけられたから、良かった」「こういう声をかけられると、店に居づらい」といった感想が出てくるんですね。

すると、声かけという部分において何が良くて何がいけないのかが、生徒たちでもすぐにわかります。つまり、どこを見るかが明確になっていると、同じ接客を受けるでも、効果が変わるのです。

これは自分自身に置き換えても、同じことが言えると思います。普段、自分が買い物をする時などに、「良い接客を受けられると、勉強になるよね」と思っていても、なかなかそういう機会は訪れません。良い接客なんて言っても、何を持ってそうなのか定義が曖昧すぎますし、視点が大きすぎるので、見る視点が散ってしまうのです。

これも、じゃあ例えば、「どんなことを質問してくるのか」「提案の時に、何点くらい商品を見せるのか」「どの立ち位置から接客してくるのか」など、細かく見る視点を絞ると、それが良いかどうかがすぐにハッキリします。そこから、自分の接客に生かせるヒントを得ることで、接客をより良いものにしていくことができるのです。

ただ単に、「接客を受けよう」ではなく、「この部分をしっかり見てみよう」「ここをどうするかを確認しておこうと決めておくだけで、見えるものは変わります。

ちなみに、私が普段お店に行くときは、必ず、最初の声かけで何と言ってくれるか、どんな質問をしてくるかという部分は、意識して見ています。ここが上手な人は、他のことも上手なことが多いので。

ぜひ、皆さんも、ご自身なりの視点で接客を受けてみてください。

今日の質問です。

  • 普段接客を受ける時には、どこを注視して接客を受けますか?
  • 視点を絞って見ると、どんな発見がありますか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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