アジア麺ロード in 那覇で感じた「東アジア○○共同体」の可能性

無題のデザイン (45)
 

東アジア共同体研究所琉球・沖縄センターが主催する「アジア麺ロード」が開催され、同研究所の理事でもあるジャーナリストの高野孟さんが、自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で、この催しの成り立ちついて解説。5年目となった手応えと課題を踏まえ将来的には沖縄に「アジア麺類博物館」をという夢を語ります。そして麺に限らず、東アジアのヘソである沖縄からさまざまな「東アジア○○共同体」の構想が生まれる可能性を伝えています。

「東アジア○○共同体」の可能性――第5回アジア麺ロードin那覇にちなんで

東アジア共同体研究所琉球・沖縄センターが主催する「アジア麺ロード」は今年第5回を迎え、11月16~17両日、那覇市牧志のさいおんスクエアで開催された。沖縄はじめ中国、台湾、韓国、ベトナム、タイ、ミャンマー、ネパールその他アジア無国籍風まで含め約20の屋台が並んで麺料理のお国ぶりをアピールし、多くの人々がどんぶり1杯500円のチケットを購入して食べ歩きを楽しんだ。

またイベントスペースでは、福州の儒家拳と沖縄の空手の子供たちが演武を競い、沖縄、韓国、チベット、ハワイなどの歌や踊りも披露された。イベントは最後に「麺を愛し、友を愛し、そして平和を愛する私たちは、美味しく麺を食べ、楽しく麺を語り、各地の麺を食べ歩く“平和のガチマヤー”になることを誓います」との宣言書を採択した。ガチマヤーは食いしん坊のことである。
(写真 http://bit.ly/2qovGpXhttp://bit.ly/2pwAfOM

●目線の低いところから

なぜ同研究所がこういうことを続けているのかと言えば、2013年3月に同研究所を発足させるまでの議論の中で、私が「東アジア○○共同体」と題したイメージ図を提示し〔写真: これは当初のものから何回かに渡って補正された最新改定版〕、次のように提案したことが始まりである。

▼東アジア共同体については、学者レベルの議論は何十年も行われてきて、「経済共同体」とか「安全保障共同体」とかの大きな枠組みとしては輪郭が見えているけれども、問題はそれを具体的にどう推進していくのかということだろう。

▼1つには、東南アジアにはすでにASEANの約50年の歴史があるのに対して、東北アジアには朝鮮の分断や台湾問題のほか日本が抱える北方領土、竹島、尖閣の領土問題、そして沖縄の米軍基地問題など、第2次世界大戦とその後の冷戦の後遺症があちこちに瓦礫の山のようになって残っていて、地域協力の機運すら生じていない。そこで、東アジアのヘソである沖縄を中心拠点として、そこから発信して東北アジアの地域協力を紡ぎ出し、やがてそれを東南アジアと繋げて、複眼の「東アジア」を作り出していくという展望を持ちたい。

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