令和最初の12月の空は、寒さを吹き飛ばすホットな見どころが満載のようです。今回の無料メルマガ『1日1粒!『幸せのタネ』』は、毎月恒例の星空案内12月版。著者の須田将昭さんが、流星群や部分日食など「年末の空の楽しみ方」を紹介してくださっています。
今月のほしぞら案内(12月)
早いもので、あっという間に今年も12月になりました。令和になってから時の過ぎるのが早いような気がしますが、気のせいでしょうか(気のせいです、もちろん)。
さて、月初の恒例の「ほしぞら案内」です。
夜空は冬の星座たちが賑やかに昇ってくる季節です。夜の8時、9時には東の空にほとんどの冬の星座が見えています。街明かりで低い空の星が見にくい都会でも、10時を過ぎればよく見えるのではないでしょうか。
まず12月といえば「ふたご座流星群」が目玉なのですが、極大期の15日は満月過ぎの月が煌々と照っていて、流れ星を観測するには条件が悪過ぎます。明るいのが流れたら見られる、ぐらいの感じで見るぐらいでしょう。
次に大きな話題としては、26日の部分日食ですね。インドネシア方面では金環日食になり、日本では部分日食が観測できます。南に行くほど条件がよく、沖縄では半分近く欠けているのがみられます。北になるほど食分が小さく、また欠けたまま沈んでいくのがみられます。
部分日食の観察は望遠鏡が無くてもみられるのですが、直接見ると目を傷めます。もう7年も経ってしまいましたが、かつて日本で金環日食が見られるという時に多くの人が買い求めた「日食観察グラス」がありました。もしまだ家にある、という方はそれを引っ張り出しておきましょう。絶対に肉眼で見てはいけません。また日食観察グラスを使っていても長い時間見るのは危険です。少し見たらすぐに他の人と変わって、みんなで観察するのがいいでしょう。
何もないよ、という方は、黒い厚紙にキリで穴をたくさん開けてみてください。それを通して、地面に太陽の光を当ててみると、いわば「地面に映った木漏れ日」みたいな感じになるのですが、丸ではなく欠けた状態で見えるはずです。
あとはもうすでに星空を見るのが習慣になっている方はお気づきかもしれませんが、夕方暗くなった西の空に一際明るい星が見えていますね。「一番星見つけた」と言いたくなるほど明るい星ですが、「宵の明星」、金星です。
金星は日に日に高度を上げていきます。どんどんみやすくなっていきます。一方で、同じく夕方西の空に見えているのが、夏には観測好機だった土星です。土星は日に日に高度を下げています。一方は高度が上がり、一方が高度を下げる。どこかですれ違うのでは?と思いますね。
12月9日から13日にかけて、その様子を眺めることができます。9日には金星の少し上に土星が見えていますが、11日には最も接近し、13日には金星の高度が上になります。
土星は惑星とはいえ、西の空がまだ明るいうちでは見えづらくなってきています。金星を目印にして、近くにないか探してみて、二つの惑星の並びを眺めてみてはいかがでしょうか。
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