子供の頃、頭ごなしに親から叱られ不快な思いをした経験をお持ちの方は多いかと思います。では…、親となった今、自分のお子さんにはどのように接しているでしょうか。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では、著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、子供に対してだけにとどまらず、あらゆる場面で役に立つ「相手の立場に立った接し方」の大切さを解説しています。
子どもの立場に立って考えてみると、解決策が見つかる
宿題の間違いを指摘すると、不機嫌になります。でも、間違いをそのままにしておくのもどうかと思います。毎日毎日親子でけんかしながら宿題をやっています。どうしたらいいでしょうか?
よく、このような質問を受けます。日々の宿題のことで質問した人もいますし、夏休みや冬休みの宿題のことで質問した人もいます。
講演で質問されたときのように、目の前に質問者がいて、しかも、時間的な余裕があるときは、私は次のように言います。
では、今から少しの間、自分が子どもになったつもりで私の話を聞いてください。いいですか?
あなたは、小学生の子どもですよ。今、あなたは、一生懸命がんばって漢字書き取りの宿題をやり終えたところです。ホッと一息ついていたら、そこへお母さんがやってきました。嫌な予感がします(笑)。
お母さんがノートを手に取りました。「あ~、この字違っているじゃないの。あれ、これも違ってるよ。はい、書き直して!」
あなたは、どんな気持ちがしましたか?心の中の言葉を口に出して言ってみてください。
そして、マイクを向けると、みなさん次のように答えてくれます。
- せっかくやったのに、ガミガミ言わないでよ
- わざわざ見つけないでよね
- ちょっとくらいいいところを見つけてくれてもいいのに
- 「宿題がんばったね」くらいのことは、言ってくれてもいいのに
- 合っている字もあるでしょ?
それを受けて、私は言います。
そうです、そうです、その通りです。子どもたちは、そう思っているんです。みなさん、よく分かっているではないですか。
ですから、子どものそういう気持ちを理解して対応すればいいのです。もう、みなさんが答を言ってくれたようなものです。
まず、子どものノートを見たら、まず最初に、次のようなことを言ってあげてください。
- 宿題を自分から進んでやれてえらかったね(がんばって宿題をやったことをほめる)
- この「春」という字の形がいいね。この「道」という字が上手だね(無理にでも、いいところを見つけてほめる)
その後で、次に進むのです。
- あ~っ、惜しい、違う字が3つある。どれか分かれば立派!(このように少しクイズ的にしてみるだけでも、子どもの反応は違ってきます)
- あ~っ、惜しい、この字が違っている。惜しい!!(いかにも悔しそうに言ってやると、子どもも悔しい気持ちになってきます)
みなさん、「なるほど」という顔で聞いてくれます。
ところで、これは、1つの例として受け止めてください。 私が一番言いたいのは、相手の立場に立って考えるということです。とくに、なにかうまくいかないことがある場合は、相手の立場に立って考えてみることがたいせつです。
親としては、子どもの立場に立って、もう一度虚心に考えてみることです。こういうとき、自分が子どもだったらどんな気持ちになるだろうか?こう言ったら、子どもはどう思うだろう?
これは、私のイチオシです。いろいろな機会にこれができるようになると、あなたの親力は格段にアップします。というより、あなたの人間力がアップします。
夫婦関係、家族関係、友達関係、地域の人間関係、会社の人間関係、全てにおいて、格段の飛躍が起こります。あなたは、もはや1人の偉大な実践的心理学者です。
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