今回、たった一人の選手の発言だけで、中国政府は試合の放送を中止するという、連帯責任による処罰法に出ました。今後も、同じことは続くはずです。香港デモを応援した者、台湾民進党を応援した者、チベットやウイグルへの弾圧を批判した者、そういったアスリートや選手のいるチームの試合は、中国ではさせない、放送中止となる。そういうことが、明らかになりました。
中国の狙いは、これによって他国や団体がアスリートたちに対して、「中国に歯向かうような発言はするな」という圧力を、自分たちに代わってかけさせることです。じっさい、そのような「中国への忖度」をする団体も出てくるかもしれません。
しかしその一方で、これはある意味、中国は自分の首を自分で絞めたことにもなります。世界は中国と異なり、言論統制はできないからです。
来年には東京でオリンピックが開催されます。西側諸国の選手たちが、香港やウイグル、台湾の自由について発言したら、中国はどうするのでしょうか。その選手が関わるすべての試合を放送中止にするのでしょうか。それはそれで面白いことだと思います。
中国では「中国vs北朝鮮」の試合くらいしか、放送できなくなるのではないでしょうか。
このメルマガでも繰り返し述べてきましたが、米中貿易戦争というのは単なる経済戦争だけではなく、価値観の衝突なのです。「言論の自由」や「思想の自由」といった近代的価値観が中国のカネの力の前にひれ伏し一党独裁体制が勝利するのか、それとも民主主義と自由主義が勝利するのかということです。
人権や自由を弾圧する中国の恫喝・暴力に屈することは、あってはならないことです。
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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年12月19日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。
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