川崎「ラップバトル死亡事故」で問われる罰ゲーム文化の是非

2019.12.20
by MAG2 NEWS編集部 HY
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19日午後9時50分頃、川崎市の多摩川大橋で「友人が川に飛び込み行方不明になった」と119番があり、消防が捜索したところ、高校1年生の太田羅月さんが付近の水中で心肺停止の状態で見つかり、その後死亡が確認されことを時事通信共同通信NHKなどが伝えた。

時事通信によると、現場には中学時代の同級生ら5人が一緒におり、韻を踏んだ言葉の応酬で勝敗を競う「ラップバトル」で遊んでおり、同級生らは神奈川県警幸署に「罰ゲームで橋脚から飛び込んだ」と説明しているという。

この事件に関連する報道で「ラップバトル」が見出しなどで大きく取り上げられていることから、ネットでは「ラップバトルが悪のような受け取られ方をしかねない」「報道によってラップバトルが一人歩きしている」「ラップバトルにわざわざ言及する必要性を感じない」といった声が相次いでいる。

ヒップホップ歌手のZeebraさんは、Twitterで『川崎の件。あまりにも悲しい出来事に心が痛いです。自分世代は「ヒップホップの精神が伝え損ねたが故」と思いますが、ここでいうヒップホップの精神も我々世代と今の世代では乖離があり、本場アメリカでも昔は反対の立場であったハードドラッグで命を落とすラッパーが後を絶ちません』『「MCバトルだけじゃなくヒップホップの精神を伝える」という行為が必要とされる今、我々がまず向き合わなくてはいけないのはそもそも今のヒップホップが正しいのかという事。上の世代も上から目線ではなく、下の世代も何でも「老害」と切り捨てずに考えていけたらなと思います』などと、ヒップホップのあり方についての啓蒙が必要であることを綴った。

また、大津市の中学生がいじめを苦に自殺した事件(参照:大津いじめ自殺事件に判決。もう「子供だから」は通用しない)など「遊び」や「罰ゲーム」と称するいじめが度々報じられていることから、「罰ゲーム文化」に対する疑問の声も聞こえてくる。過去には、芸人の罰ゲームはいじめを助長するのではないかといった議論もあった。

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