予防ハラスメントか。イオンの「従業員はマスク禁止」に反発の声

2019.12.26
by MAG2 NEWS編集部 HY
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大手スーパーのイオンが12月中旬にグループ各社に対し、「接客時におけるマスク着用は原則禁止する」との通達を出したことがテレビやネットで話題になっている。JCASTニュースの調べによると、従業員への案内文には、「接客時におけるマスク着用は、顔の半分を覆い隠してしまうため、お客様にとって表情がわかりにくく声も聞こえづらくなるため、お客さまとの円滑なコミュニケーションの妨げになります。また、風邪や体調不良のイメージを持たれ、不安を抱かれる場合があります」などと書かれていたという。

例年より1ヶ月ほど早いインフルエンザの流行シーズン入りが新聞、テレビなどで報道されたが、従業員は感染症を予防する大きな手立てを一つ失うことになる。

JCASTニュースが伝えたイオン広報担当の話では、「客からの接客時に(マスクを着けていると)声が聞きづらい」「マスクをしながら接客をするのは失礼だ」といった声などを踏まえての施策だというが、従業員の健康よりも客の要望を優先するイオンの姿勢に、ネット上で非難の声が上がっている。

今年の新語2019」の7位に、客が接客担当者などに対し、悪質で理不尽な要求や過度のクレームなどで迷惑行為を行う「カスハラ」(カスタマー・ハラスメントの略)がランクインしていたが、従業員の感染症予防を犠牲にしてまでも自らに対する心地の良い接客を求める客の側にも問題がありそうだ。

イオンは家族に受験生があるなどの理由であれば、上司の許可を得た上でマスクを着用できるとしているが、日テレNEWS24もこのイオンの通達に一部の従業員から「理解できない」「仕事を辞めたい」などと不満の声が出ていることを紹介している。

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