どうなる今年のアカデミー賞。NYの映画通日本人が評価する作品は

image by: Valeriya Zankovych / Shutterstock.com
 

第1位 『フォード VS フェラーリ』

http://www.foxmovies-jp.com/fordvsferrari/

これぞ映画!だなと思います。成功、挫折、努力、友情、プライド、家族、勝負、愛、すべてがここにあると言っていい。これだから映画館通いはやめられない。人生のベストにも入る作品です。多分、アメリカ人も、そして、日本人もこの手のストーリーは好きだと思います。絶対に見て損はないと思います。2位の「ワンス~」を見た際、「あぁ、今年の1位は決まりだなぁ」と確信めいたモノがあった夏でした。それを秋に覆されるとは!

実は、この作品もアメリカの業界サイトで、数年前に「トム・クルーズとブラッド・ピットで映画化!」とニュースが流れた瞬間がありました。日本でも「Go Like Hell」というタイトルで書籍化され、僕も数年前にこの原作を日本語で読んでいました。

で、原作を読んだ段階で、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーを、トム・クルーズが、破天荒のイギリス人レーサーをブラッド・ピットが、演じることは想像できましたが、結果、それぞれを、マット・デイモンと、クリスチャン・ベイルで演じてよかったと思います。さすがにトムとブラッドだと年齢が行きすぎている。そして、本来、原作を読んだあとに映画を見ると、どうしても原作の方がよかったりするのですが、今回ばかりは、原作以上に映画の方が良かったです。

ただ、ラストは、、、、、、少し、ウエットになりすぎかなっ、て思いました。昔、角川映画の「汚れた英雄」という大ヒットした古い映画がありましたが、ラストのラスト、一行の字幕だけで、その後を説明するシーンがありました。映画自体を覚えていなくても、その手法だけは今でも覚えています。

これと同じように、さらっと、字幕だけで、その後のふたりを説明しても良かったのかなと思います。これ以上言っちゃうとネタバレになっちゃうからやめとくけど。どちらにしても万人にオススメの映画。

結局、僕は、「ここからどこかへ行く」話が好きなんだと思います。現状ではない、どこか。ジャンルは問いません。たとえば、ボクサーなら世界チャンピオンを目指す話。たとえば、弁護士なら、無罪を勝ち取る話。たとえば、シェフがミシュラン3つ星を獲得するまでの話。たとえば、囚人が自由を求めて脱獄する話。たとえば、猿と豚と河童が天竺にありがたいお経を取りに行く話。

映画が始まった状態と、終わったときの状態が、幸せか不幸せかより、行動して何かが変化している作品。ホラー映画や、恋愛ドラマや、ペット映画が苦手なわけではないのだれど、人生のベスト映画に、これらのジャンルが入らないのは、そういった理由からなんだなと思います。

あの、アメリカ大衆自動車会社、フォードが。あの、世界最高のブランド、フェラーリに。あのル・マンでの勝利を目指す。そっりゃあ、熱くならないわけがない。老若男女問わず、強く勧めます。

以上、映画評論家でもない僕の「2020年 個人的アカデミー賞」お付き合いいただきありがとうございました。

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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