中国に勘づかれず日本が「軍事的自立」を成功させる唯一の方法

 

これからの日米同盟はどうすべきなのか?

日本はこれまで、「片務的日米安保」で気楽に過ごしてきました。日米安保は、「日本が攻撃されたら、アメリカは日本を守る。アメリカが攻撃されたら、日本はアメリカを守らない」です。これは、「日本が強くなって、再びアメリカの脅威にならないように」、そうしたのです。

しかし、時は流れ、アメリカの弱体化が進んでいる。それで、2015年安保法が改正され、「集団的自衛権行使」が可能になりました。これは、安倍総理の大きな実績です。とはいえ、トランプ大統領は、「まだまだ日米安保は不平等だ!」と考えている。それで、日本には、ますます大きな役割を求められるようになっています。これ、どうなのでしょうか?

まず、現状維持は難しい(アメリカが許さない)。フィリピンがかつてしたように米軍を追い出せば?中国軍は、嬉々として尖閣、沖縄を奪うでしょう?核武装して自立する?中韓のみならず、いわゆる戦勝国、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアも日本の核武装に反対。国連安保理常任理事国が全部反対なので、過酷な経済制裁を科させることでしょう。北朝鮮やイランと同じで、日本経済はボロボロになってしまいます。それに、核武装する過程で、中国は尖閣を奪ってしまうでしょう。結局、日本は、「より大きな役割を果たす」しか道がありません。そして、それは日本にとってもいい道なのです。なぜ?

日本が大きな役割を果たすと、強くなるのは誰ですか?そう、強くなるのは自衛隊です。自衛隊が強くなると、日本が強くなる。日本が強くなると、日本は軍事的自立にむかっていく。もし日本が、米軍を追い出して、「自分の国は自分で守ります!」と宣言すればどうでしょうか?中国は、「これで尖閣、沖縄は俺のものだ!」と喜ぶでしょう。そして、追い出されたアメリカが、日本の味方でいるはずはありません。

日英同盟破棄後、イギリスは、日本の味方でしたか?イギリスは、日中戦争で、中国を支援したではありませんか?そう、米軍を追い出して軍事の自立を目指せば、日本は、米中二超大国を敵にまわすことになる。だから、「アメリカにいわれて仕方なく軍事力を増強していく」という姿勢でいくのがいい。これなら日米関係はますます良くなり、日本は強くなっていく。そして、軍事の自立に近づいていきます。

100年後は日米印同盟で

さて、安倍総理のいうように、日米安保はさらに100年つづくのでしょうか?私は、つづくことを願っています。しかし、アメリカは、20世紀のイギリスのように弱体化していくでしょう。だから、日本自身が強くなることが不可欠。そして、将来、米中に匹敵する大国になることが不可避なインドとの軍事同盟を目指すべきです。日米印の同盟で、中国と対峙する。これなら、日本の未来は安泰でしょう。

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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