東京で唯一の世界遺産、国立西洋美術館の階段に二段ベッドの追憶

 

海を臨む洋画家の美術館からの思いがけない依頼

国立西洋美術館に話を戻すと、館内の絵画は数があまりにも多すぎて、「じっくり」が出来ない自分に気づいた。ピカソを見た直後にはクレーがあり、そしてミロに移る。少々、感性(あくまで私の中にある実力相応のものである)が悲鳴を上げたようにも思う。

もちろんショーケースの役割としては、多くの生の絵を目の当たりにすることで、自分の好みを知るきっかけにするのはよいかもしれないが、それは主体的に見なければ、なかなか湧いて出てくるものではない。

そんなことを考えていたら、ある洋画家の美術館の方から連絡があり、美術館を公的な役割を担う・運営するために知恵を拝借できないかとのお願いがあった。この美術館は一人の洋画家の単体の美術館で空間も素敵だし、海を臨む眺望も素晴らしい。託された家族は、じっくりと絵を見てもらうような美術館にしたいと言う。

私も知恵を絞ってお力になりたいと考えているが、この建物もなかなか立派で素敵な階段があることを思った。海を臨むロケーションはレマン湖畔にあるコルビュジエの「小さな家」も想起させる。さて、どうなることだろうか。

image by: くろふね [CC BY]

引地達也この著者の記事一覧

特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ジャーナリスティックなやさしい未来 』

【著者】 引地達也 【月額】 ¥110/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 東京で唯一の世界遺産、国立西洋美術館の階段に二段ベッドの追憶
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け