読者からのどんな質問にもスバッと回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「欧米の手帳にはなぜ月単位のカレンダータイプのページがないのか?」という質問に答えます。30年ほど手帳を使っていない永江さんは、詳しくはないと前置きした上で、欧米の習慣に関係があると考えを述べています。
欧米の手帳はなぜウィークリーページがメインなのか
Question
永江さんのスケジュール管理はグーグルカレンダー一筋であると拝見しましたので興味がないとは思いますが、気が向いたら戯れに回答お願いします。
私は、手帳が割と好きなアラフォー子持ち女性です。年末になると、来年はどのような手帳ライフを送ろうか毎年楽しく悩みます。そこでいつも気になるのですが、日本メーカーの手帳は、冒頭にブロックカレンダーのマンスリーページがあり、その後にメモ欄またはウィークリーページ(レフト式やバーチカル式など多種多様)がある場合が多いです。
ですが、欧米メーカーの手帳(エルメス、スマイソン、昔のモレスキンやクオヴァディス等)は、年間カレンダーはあるものの、ブロックカレンダーのようなページはなく、ウィークリーページのみであるケースが多い気がします(素敵だなと思って中身のレイアウトを見てから、自分のライフスタイルに合わないから購入はやめようと思ったこと数知れずです)。その理由が気になってネットで検索したりするのですが、なかなか答えにたどり着けません。
自分で考えた結果としては、
- そもそも欧米にはブロックカレンダーの概念がないのか?
- ブロックカレンダーとウィークリーページがあるとどちらに書いたか分からなくなるから?
- 欧米における手帳とはスケジュール帳の色合いが薄くメモが主目的であるのでカレンダーが不要なのか
等です。
興味のない人にはほんとにどうでも良い話題だと思うのですが気になります。可能であれば永江さんの意見をお聞かせください。よろしくお願いします。
永江さんからの回答
最初に言っておきますと、わたしは手帳をここ30年くらい持ったことがありません。サラリーマン時代にはよくもらいましたが使ってなかった(笑)。ですから手帳のことは正直詳しくないのですがわたしが思うに、欧米の手帳がウィークリーページを基本としているのはキリスト教の基盤が全て週単位で考えられていて、それが影響しているのではないでしょうか。
日曜日が安息日として一斉に休日となるように、欧米では基本ルーティーンが週単位ですから工場労働者の給料だって週給が一般的です。週給なんて日本ではほとんどありませんが欧米では何の違和感もない概念だったりするのです。
いっぽう日本では月単位の考え方が主流です。月初や月末という感覚が昔から染み付いていますし、各月に師走や神無月などの和風月名がついているくらいですからね。結局日本では週単位より月単位の考え方の方が馴染み深いため手帳の最初にマンスリーページが来るのでしょう。
日本に週の概念が定着したのは明治初頭のようです。
● 日本で初めて曜日(日・月・火・水・木・金・土)を使いだした時期と理由を知りたい。 | レファレンス協同データベース
それまでは日本に曜日という概念自体がなかったのだと思います。江戸時代なんて休みは盆と正月くらいなもので主人であろうと丁稚であろうとみんな働いていてそれが当たり前でした。考えてみたら侍が「今日は休みだから」と言ってゆっくり寛ぐなんてあり得ません。やはり仏教と曜日は関係がないといえそうです。
調べてみたら1週間7日制や曜日の感覚は古代バビロニアから来ているようです。古代ローマ人がさらにそれを定着させ欧米に広まったみたい。
● 曜日の起源は? | 時と時計のエトセトラ | 日本時計協会 (JCWA)
やっぱりわたしの考え方、結構当たっていた(ドヤ)・笑。
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