【カンブリア宮殿】世界一売れている入浴剤「バスクリン」好調の秘密

バスクリン①
 

「バスクリン」と聞けば、誰もが思いつく入浴剤。しかし、この名前が社名となり、さらにはいつの間にかライバル企業に買収されていたことを知る人は多くないのではないだろうか?「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。紆余曲折を経ながらもなお入浴剤のトップブランドであり続ける、バスクリンの知られざるストーリーに迫っていく。

日本の風呂を変えた~愛されるロングセラーの秘密

秋田・仙北市の乳頭温泉郷「鶴の湯」。「日本一有名な秘湯」、とも言われるこの温泉は、神経痛や婦人病に効くという。その土産品店で人気なのが、乳頭温泉をイメージした入浴剤。バスクリンが作っている。

一方、東京・墨田区の昔ながらの銭湯「薬師湯」。人気の秘密は100種類以上もある「日替わり湯」。中には「ナスの煮浸し風の湯」「ブイヤベース風の湯」と、まるで料理のメニューのようなものもある。この日はバスクリンの炭酸入浴剤、「きき湯ファインヒート リセットナイト」。泡が出るのは炭酸ガスが含まれているため。温泉成分もたっぷり入っている。

一時は1日の客数が200人ほどまで減ったこの銭湯だが、こんな工夫をするようになってから、「(1日の客数が)50人以上は昔より増えました」(店主の長沼秀三さん)と盛り返してきた。

バスクリンは発売から90年も続くロングセラー。お風呂好きな日本人にとって、切っても切り離せない国民的商品。粉末タイプのバスクリンの売上高は約53億円。あのギネスが世界一売れている入浴剤と認めた。販売量1300万個は東京ドーム63杯分に達する。

現在、バスクリンのラインアップは126種類に及ぶ。売れ筋の「きき湯」シリーズは、腰痛、冷え、だるさなど、何に効くかを打ち出している。また「世界自然遺産」シリーズでは、屋久島や小笠原の果物や植物の香りが楽しめる。その日の気分に合わせて使い分けているファンも多い。

茨城・つくば市のバスクリンつくば研究所。その一室にはバスタブがズラリと並んでいる。ここではさまざまな実験が行われている。

この日は、新しい入浴剤の色決めをしていた。明るい森をイメージして作る。開発一筋28年の製品開発部・杉浦満は、色が商品の売れ行きを大きく左右するという。爽やかで、しかも温かみのある森をイメージさせるのはどれか。悩んだ末に選んだのは、実際の森より明るく、蛍光色が強いように見える緑だった。

「森だとどうしても寒色系の色になりがちですが、入浴剤は冬に使うお客様が多いので、明るい森で暖色になるように、黄色を少し強くして作りました」(杉浦)

色とともに入浴剤のポイントとなるのが香り。バスクリンには、調香師と呼ばれる香りのスペシャリストがいる。千を超える香料から数十種類を選び出し、それを混ぜ合わせて、リラックス、すっきりなど、気分を決める香りを作っていく。

調香師・荘司博行が特別な思いを込めて作ったのが「さくら満開」だ。

「受験生合格祈願を込めまして、日本で一番早く咲く桜はどこか調べたら、沖縄のカンヒザクラが日本で一番早く咲く。そこの香りを捕集・分析して再現しました」(荘司)

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