【カンブリア宮殿】世界一売れている入浴剤「バスクリン」好調の秘密

 

遠征にも入浴剤~羽生結弦選手らを支える

2010年にはツムラとの資本関係もなくなり、社名を「バスクリン」に変更した。
このとき武器にしたのが、健康志向の高まり。「きき湯」シリーズのラインアップを7種類に増やした。さらに、「きき湯」をパワーアップさせた「きき湯 ファインヒート」も発売。1本900円ほどと、一般的な入浴剤の倍以上するが、年間300万本も売れるヒット商品に。人気の秘密は、炭酸ガスの量を「きき湯」の4倍に増やしたことにある。

攻めの広告戦略にも打って出た。キャラクターにはフィギュアスケートの羽生結弦選手を起用する。羽生選手が大の入浴剤好きだと聞きつけ、出演をオファー。試合前日にぐっすりと眠れるため、今では欠かさず使っているという。

他にも多くの一流のスポーツ選手をサポートしている。その一人がスキージャンプのレジェンド、葛西紀明選手。「僕は冷え性というか、寒いのが大嫌いなので、こういう仕事してますけど(笑)。腰痛・冷え性にいいと書いてありますから、遠征とか合宿では使っています」と言う。

日本人初のワールドカップ個人総合優勝を果たした小林陵侑選手も、「実家ではあまり入浴剤を入れる習慣が無かったんですけど、一人暮らしを始めて、自分でお湯をためて(入浴剤を)入れるのが楽しいというか、入るのが楽しみ」だそうだ。

ツムラから独立したバスクリンだが、その4年後にはアース製薬に買収される。しかしアースにはバスクリンのライバル、「バスロマン」があった。

これについて古賀は「営業マンにとってはライバル関係なので、その傘下に入るというのは、人情的には『えっ!?』でした。ですが、バスクリンの持つポテンシャルを買っていただいたと僕は思っている。営業の現場では今も競争は続いていますが、いい競争です。7年もたつので、お互いに進んでいけるような関係性は確立できています」と述べている。
荒波を乗り越えたバスクリンは業績も好調。日本の風呂文化を支えている。

バスクリン②

print
いま読まれてます

  • 【カンブリア宮殿】世界一売れている入浴剤「バスクリン」好調の秘密
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け