新型肺炎で世界に晒した恥。信頼できぬ国で身を守る方法はあるか

kitano20200220
 

2月15日、厚生労働相が「感染経路が見えない」とし、コントロール不能状態が世界に知れ渡ってしまった日本の新型肺炎問題。もはや国を全面的に信頼することはできない状態に陥ってしまったわけですが、我々国民はこの先、どう身を守ればいいのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、その方法を探っています。

厚労省、【感染経路、見えなくなった…】

また新型コロナウィールスの話です。先日、「世界が一番心配しているのは日本」という話をしました。

WHO専門家「いま一番、世界中が心配しているのが日本」

読売新聞オンライン 2/14(金)12:29配信

 

新型コロナウイルスの感染が広がっている問題で、進藤奈邦子・世界保健機関(WHO)シニアアドバイザーは14日、横浜市で開かれた日本環境感染学会の緊急セミナーで講演した。中国では新たな感染者が減りつつあるとして、「今一番、世界中が心配しているのが日本だ。ここで頑張って食い止めてほしい」と述べ、感染拡大防止に全力で取り組むよう訴えた。

政府としてやるべきことナンバー1は、「中国から日本への渡航を全面禁止すること」でしょう。ナンバー2は、「日本から中国への渡航を全面禁止すること」でしょう。これをやらないと、感染者がドンドン入ってくるので、日本国内の感染者もドンドンドンドン増えてしまいます。

ところが、安倍政権の対策はどうでしょうか?厚生労働省のHPには、以下のようにあります。

問2 感染地域からの入国を適切に管理するべきではないでしょうか。

 

当面の間、14日以内に湖北省または浙江省における滞在歴がある外国人、湖北省または浙江省発行の中国旅券を所持する外国人については、特段の事情がない限り、症状の有無にかかわらず、その入国を拒否しています。この措置は、今後の進展によって弾力的に見直す可能性があります。

入国拒否は、湖北省と浙江省に限られています。ちなみに厚労省は、同じページ内で、

中国全土でこの感染症が流行している

とも書いています。中国全土で新型コロナウイルスが流行していると認めながら入国拒否は、二省だけ。まったく十分ではありません。さらに「水際対策」について厚労省は、

問3 水際対策はどのようなことを行っていますか?

 

新型コロナウイルス感染症の病原体が、外国からの航空機や船舶(以下、「航空機等」という。)を介して国内へ侵入することを防止するとともに、航空機等に関して感染症の予防に必要な措置を講じることを目的として、政令により新型コロナウイルス感染症を「検疫法第34条の感染症の種類」として指定しました。当該指定により、外国から日本へ入国しようとする方に対する質問・診察の実施、患者等の隔離・停留のほか、航空機等に対する消毒等の措置を講じることが可能となりました。

 

現在は、中国全土でこの感染症が流行している事を受けて、日本の水際対策は、中国からの到着便・到着船について全員質問票による聞き取り、ポスター掲示による自己申告の呼びかけ、健康カード配布による国内二次感染などのリスクの軽減などを行っています。

「全員質問票による聞き取り、ポスター掲示による自己申告の呼びかけ、健康カード配布による国内二次感染などのリスクの軽減などを行っています」

↑これが対策だそうです。潜伏期間にある人は、「私は健康です」と書くでしょう。少し調子が悪い人も、「せっかく観光にきたのに、隔離されちゃかなわん」と思って、自己申告しないかもしれません。こんな調子なので、日本国内の感染者がどんどん増えてしまう。その結果、どうなったか?

「感染経路、見えなくなった」厚労相が危機感

読売新聞オンライン2/15(土)22:53配信

 

加藤厚生労働相は15日の記者会見で、中国との接点が不明の感染者が相次いで確認されたことを踏まえ、「これまでは感染経路が見えていたが、見えなくなってきた。以前と状況が異なっている」と述べ、感染拡大への危機感を表明した。

【 感染経路が見えなくなってきた 】

これは、別の言葉で、【 コントロール不能になってきた 】ということでしょう。そして、これまでの政府の対応を見れば、「こうなるのは当然」です。

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