なぜ、お稲荷さんには両脇にするどい目のキツネが2体いるのか?

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道端で時折見かける稲荷の社。鳥居の奥には2匹のキツネがいますが、なぜ「キツネ」なのでしょうか。そして、お稲荷さんと「いなり寿司」との間には、いったいどんな関係が?今回の無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』では著者の倉橋竜哉さんが、稲荷の森にまつわるあれこれを紹介しています。

食べているもの

甘じょっぱいものが大好きな倉橋竜哉です^^;

「それは私のおいなりさんだ!」というのは、少年マンガに出てくるヒーローが必殺技を決めた時のセリフでして、…こんな流れで話を進めていいのかどうかわかりませんが、今日は「お稲荷さん」の話であります(どうかバチが当たりませんように)。

先日、ここで「道祖神」の話をしましたが(【ヒント】「散歩がたちまち面白くなる。いつもの道に佇んでいるあの石の正体」)、他にも道端でよく見かけるものの一つに「稲荷」の社があると思います。朱塗りの赤い鳥居があって、奥に社があって、その両脇にキツネが2匹いますよね。

総本山である京都の伏見稲荷大社のホームページによると、全国に3万の稲荷があるそうなので、コンビニの約半分ぐらいの数が、存在するわけです。みなさんのご近所にもありませんか?

もともとなぜ「稲荷(いなり)」と言うのかというと、稲を成らせる…という「稲成り」が語源で、後に稲を荷なう食物の神「稲荷神」が誕生したとのこと。元来は農耕の五穀豊穣の神さまであり、今では商売繁盛も担っています。

稲荷といえばキツネですが、神さまがキツネというわけではなく、あくまでも神の遣いであります。神社の狛犬やオオカミと同じです。諸説あるのですが、一説によると農耕神なので、米を食べ荒らすネズミを捕まえるキツネが神の遣いとして崇められたとのこと。

「いなり寿司」にも触れておきましょう。甘じょっぱい揚げが酢飯に合いますよね。最近では、酢飯に刻みしょうがやゴマ、大葉などが入ったものも見かけます。地方によっては「きつね寿司」「こんこん寿司」ともいうとのこと。

もともと、キツネの好物はネズミを油で揚げたもの(!)なのだそうでして、実際にそれを使ってキツネの捕獲がされていました。そのネズミの油揚げに由来して「キツネの好物は油揚げ」と言われるようになり、油揚げに炊いたお米を入れて、米俵のようにしたものが、いなり寿司になりました。江戸時代の後期の大飢饉があった時に、豊作を願って愛知県豊川市にて生まれたとのこと。

他にも「稲荷マメ知識」として、お稲荷さんの社に行くと「正一位」と書かれていることが多いですが、「正一位」とは、神さまの最高の位を表す称号です。伊勢神宮や出雲大社は別格として、基本的に超有名な神社が「正一位」とされています。

…じゃあ、なんで近所の小さな社が「正一位」なのかというと、元々は、伏見稲荷大社が「正一位」と認められていたのですが、後鳥羽天皇が「伏見稲荷の分社なら正一位でもOK」と認めたために、本来であれば格式高い神社しか認められていなかったものが一気に広まってしまったとのこと。今では地域によっては、稲荷の呼び名が「正一位」になってしまっている逆転現象もあります。

…あれこれ書きましたけれど、要は、お稲荷さんとは農業の神様であります。

さてさて今日は土曜日…土の曜日であります。土の養分が海を育んでいることも考えると、あらゆる食べ物は土に育まれています。今日も何かしら食べたり飲んだりするわけですが、当たり前のように食べることができるって、実はスゴイことだな、と思います。むしろ食べすぎに注意しなくてはいけない現代であります。

お稲荷さんを見かけた時に「食べることができる」ということに感謝できる自分でありたい、そんなことを思った土曜日でありました。

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

「食べているものはありますか?」

image by: Shutterstock.com

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