「総会に出席すると税金が安くなる」というのは…「管理組合の運営状況」のところで、「総会の出席率」という項目が入ると思われ、多くの人が総会に出席していれば高い評価になる。そうなると、総合的な点数も高くなり、「認定」マンションになることができ、税金の優遇というインセンティブを受けることができる。だから、多くの人が総会にすればみんなの税金が安くなる、と言う話が、総会に出席した人の税金が安くなる…かのように、話が伝わったのではないかと…。まるで、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話ですが。
どんな優遇策がとられるかは、まだ決まっていませんし、そもそも、「総会の出席率」の数字だけを取り上げて、管理組合運営の良し悪しの評価につなげていいのか…と私の中で抵抗があります。
総会に掛ける前に、検討状況をその都度広報し、組合員の意見を十分に聞き、丁寧な合意形成を進めてきて、最後、それを議案書にしっかり書いていれば、総会に出なくても、「委任状」や「議決権行使書」で十分意思表示できるので、総会の実出席率は高くはないのです。
逆に、総会以外に意見を言う場がないと、総会に反対派の人がたくさん出席し、総会が揉め、強引に決議をするというような運営の方が、出席率だけだと評価が上になってしまう…というようなことが起こってしまいます。それぞれの管理組合運営の工夫は多様で、なかなか画一的な評価では収まらないのです。
「総会に出席すると税金が安くなる」というような理解で、この認定制度がうまく機能するのか…と、手放しでこの施策を歓迎できないでいますが、今後をしっかり見て…ですよね。私は、今後も、点数化できない管理組合運営の工夫を、たいせつにしていきたいと思いました。
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