新型コロナウイルスの国内感染について、政府の専門家会議は9日「当面感染者の増加傾向が続く」との予想を発表。対応は「数カ月から半年、年を越えて続くかもしれない」と長期化の可能性を示唆した。また、満員電車でも感染が起こる空間になり得ると初めて指摘した。NHKニュースなどメディア各社が伝えた。
新型コロナウイルス対策の専門家会議は、「今後1、2週間が感染拡大のスピードをおさえられるかどうかの瀬戸際だ」とする見解を示してから2週間となる3月9日、新たな見解をまとめました。https://t.co/FAAv2nia37
— NHKニュース (@nhk_news) March 9, 2020
イベント自粛の要請延長
専門家会議では先月24日に「1〜2週間が急速な拡大に進むか収束できるかの瀬戸際」と見解がまとめられていた。しかし、感染者の増加傾向が予想されることから「警戒を緩めるわけにはいかない」とし、大規模イベントの自粛や一斉休校要請、北海道での緊急事態宣言を受けた対策の継続を19日ごろまで求める方針だ。効果の分析も19日ごろをめどにまとめるとのこと。
これまでの日本の対策への評価
委員の尾身茂氏は、約80%が他の人に感染させていない点などから、爆発的な感染拡大は進んでいないと評価した。しかし、複数人に感染させたケースもあることから増加傾向が続くと予想した。また、諸外国で患者が増えていることについて触れ、国内での感染拡大を抑制できた場合でも世界的には封じ込めることはできないため、再流行してもおかしくない状況だとした。
WHO「パンデミック現実的」
世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスが国から国に拡大することを制御できない段階に達する「パンデミック」の脅威が、より現実味を帯びてきたと述べた。対応次第では、感染拡大を遅らせて制御することは可能だとし、さらなる対策を強く求めた。