「大谷翔平選手の筋トレは“喝”?」プロトレーナーに聞いてみた

 

プロ野球選手の筋トレがマイナスというのは古い考え

以下、YAHOO NEWS内のTHE PAGEからの私のコメント部分の抜粋です。

スポーツ・ニュートリションの第一人者で、フィジカルトレーナーとしてもプロレスラーの武藤敬司の指導から、今春キャンプでは阪神タイガースの特別講師も務めた「桑原塾」主宰者の桑原弘樹さんは、こんな指摘をした。

「大谷選手の実際の体もトレーニングも見ていないので詳しいコメントはできませんが、映像で見る限り、あれくらいでマッチョというのかなという疑問が浮かびます。

偶然ですが、数年前に大阪のゴールドジムで日ハム時代の大谷選手がトレーニングをしている風景を見かけたことがあります。体は大きいが、まだ肉体的にはノビシロがあるなという印象を受けました。

段階的にトレーニングをされているようですが、映像だけで正確な判断はできませんが、ようやく体が出来上がってきたなあという感想を抱きました。誤解を恐れずに言うと、三頭筋がムキっと出ただけで、マッチョだ、筋肉マンだと大騒ぎするほどではありません」

専門家から見ると無謀な肉体改造には見えなかったようだ。   さらに桑原氏は、「大谷選手が、メジャーの最先端の発想、理論、環境の中でトレーニングをやっている以上、相当な裏付けがあると考えていいでしょう。たまたま腕をまくって上半身が強調されただけだと推測します。   後述しますが、張本さんの時代とは違い、今は、トレーニング環境もスポーツ・ニュートリションと呼ばれる栄養摂取の部分も進化しています。   休養やシーズン中にどれだけの負荷を加えられるか、野球の技術練習との連動も含めて、トレーニングのすべてをトータルでコーディネイトする考え方が進んでいます。   張本さんに喝と怒られるかもしれませんが、20年、30年前と、比較すること自体がナンセンスなのかもしれません」と続けた。   「膝に負担がかかる」「ケガをする」という意見にも違和感を覚えたという。

「ウエートトレをして体が大きくなれば膝を痛めるという考え方にも誤解があります。上半身に筋肉をつけたことで膝を痛めるわけではありません。体重が極端に増えれば話は別ですが、レッグエクステンションという膝の周りを鍛えるトレーニングメニューもあるくらいです。

海外の文献では、ウエートトレの目的に“プリベンション・インジュリー(ケガの予防)”とあるように、ウエートトレによる筋肉肥大は出力のアップだけでなく、筋肉の制御、ケガの予防という効果があるのです。

制御とは動きを止める筋肉のパワー。私は専門家ではないので詳しくはわかりませんが、打撃における壁や、投手がステップ後に反動の力を使うような場合、守備における踏ん張りなどで使う筋肉です。

筋肉肥大に取り組んだ選手がケガをすると、そのせいになり、逆に、それをしていない選手がケガをしても筋トレしていないせいだとは言われません。まだまだ野球界においては固定観念が拭いされていないのかなとも感じます」

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