新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け、休業した企業や店舗の従業員の解雇を防ぐための「雇用調整助成金」。2月から4月3日までに助成金の申請は214件あったが、支給済みはたったの2件だったと毎日新聞、日テレNEWS24などが報じた。「支給を待っている間に会社が潰れる」「諦めた」との声もあがっているという。
“解雇防ぐ”雇用調整助成金 決定2件のみ https://t.co/Xdxyjmhb3K #日テレNEWS24 #ntv
— 日テレNEWS (@news24ntv) April 14, 2020
雇用調整助成金とは?
休業などで従業員を休ませた場合、企業は休ませた従業員の平均賃金の6割以上を支払う義務がある。その一部を企業に助成するのが「雇用調整助成金」だ。助成金を受け取るために必要となる休業計画の届けは、2月から4月3日までに2859件あり、そのうち214件が申請されたが、実際に支給されたのはたったの2件だった。毎日新聞によると、各地の相談窓口には問い合わせが殺到し、手続きが滞っているという。
「支給までに会社が潰れる」
この「雇用調整助成金」は、申請手続きが煩雑であることや支給までに時間がかかることが問題視されてきた。厚生労働省は、申請書類の記載事項を5割削減して簡素化するなど改善を進めているが「支給を待っている間に会社が潰れる」との声もあがっているという。
助成金を使って手当を支給する場合は、企業も一定の自己負担が生じる。手続きの煩雑さもあり、非正規社員には手当を支給せず、雇い止めをするケースも多いという。東京新聞は、労働組合「首都圏青年ユニオン」などが相談を受けたという約150件の相談について紹介。ショッピングモールに入居しており、モールの休業に伴い休業することになった店舗の従業員は「政府の要請でモールごと閉まるのだから会社側の責任ではない」という理由から手当をもらえなかったとしている。相談の多くが「休業手当がない」「不十分」「長期閉店になっても賃金補償が何もない」など、弱い立場の労働者が手当もなく休まされている現状が明らかになった。









