最悪2年連続マイナス成長シナリオも。各紙が報じた「大封鎖」不況

 

基本シナリオと3つのリスクシナリオ

【読売】は1面トップと3面の解説記事「スキャナー」、9面の経済記事まで。見出しを以下に。

(1面)
世界成長マイナス3%
今年 リーマン超え最悪
IMF予測
「大恐慌以来の後退」

(3面)
米欧落ち込み深刻
コロナ 休業や操業停止
「今年後半収束 回復へ」
不確実性は高く

(9面)
経済低迷 3シナリオ
IMF成長予測
最悪時 2年連続マイナス

9面記事にはIMF成長予測の詳細が掲載されている。発表になった世界経済見通しは、「新型コロナウイルスの感染拡大が2020年後半に収束する基本シナリオ以外に、よりリスクの大きい3つのシナリオを提示した」ものであり、「世界経済は極めて不透明感が大きい」とも。

記事には基本シナリオを含む4つのシナリオの概略が一覧表になっていて、特徴付けとともに、それぞれの2020年と2021年の成長率の想定が書き込まれている。第1のリスクシナリオは「すべての国で外出自粛などの封じ込め策が基本シナリオより5割長引いた場合」であり、第2は「21年に再び感染拡大が起こる」ケース、第3は「封じ込め策長期化に加えて第2弾の感染拡大がおきる」場合。

最悪のケースでは2020年の成長率が3.0%以上マイナスとなり、2021年には基本シナリオが想定する5.8%の成長率を約8%も下回り、計算上、再び2%以上のマイナスということになると想定されている。

つまり、見出しにあるように、「2年連続マイナス」という状況が想定の範囲内にあるということだ。その場合、「国家の財政悪化が市場で警戒され、所得補償などにあてる財源の調達に悪影響が出るおそれもある」ということにもなる。今、各国がやっているような補償が困難になるかもしれないという。

●uttiiの眼

基本シナリオの可能性が一番高く、3つのリスクシナリオは、リスクが高い想定になるほど可能性が低いものと普通なら考えるところだが、この場合はどうなのか。

どのリスクシナリオが実際に現実になるかについては、各国有権者がどのような政権を選ぶかにかなり依存しているように思う。自らの失態を覆い隠すためか、中国とWHOへの責任転嫁を目論む大統領を米国国民が選び続けるのか、未だにPCR検査さえ十分に実施できず、「直接補償を行っている国はどこにもない」などとウソを口にして恥じない総理大臣を日本国民が信頼し続けるのか。ここから先は自然過程ではなく、社会的政治的過程が私たちの進路を決めていくと思われる。

print
いま読まれてます

  • 最悪2年連続マイナス成長シナリオも。各紙が報じた「大封鎖」不況
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け