YOSHIKIさんなど多くの在米日本人が「Stay Home」を叫ぶ理由

 

YOSHIKIさん呼びかけは掛け値なし

著名人の中で、最初に大きく「自粛」を呼びかけたのは、僕の記憶が正しければ、X JapanのYOSHIKIさんだったのではないでしょうか。当時は、まだ日本では「大袈裟に騒いで、イタズラに経済活動を邪魔するな!」という声の方が、主流だったと思います。その中でも、YOSHIKIさんは一貫して、日本人の健康の為、自粛を呼びかけていた。

YOSHIKIさんにかつて、僕は4回単独インタビューしました。北米での専属インタビュアーだね、と冗談をおっしゃってくれたこともありました。4回、対面に座って話をジックリ聞いて、思ったのは、「不必要なカッコつけ、をまったくされない人だな」ということ。

次のライブへの意気込みは?NYに来た際、必ず寄るお店は?そんな質問に対して、真っ直ぐにこちらを見て、真っ直ぐに答えてくださいます。あたりまえじゃないか、と思われるかもしれませんが、意外と日本のアーティストの中ではそんな人、少ない。

たぶん、他のアーティストさんは、みなさん、そのインタビュー自体もブランディングの場所と考えているのか、斜めから、スタイリッシュで、モダンで、一風変わったお答えをされる方が多い。独特の間で、空中の一点を見つめ、捻りすぎた答えをされる方も珍しくない。よくわからない。

YOSHIKIさんは、はぐらかさず、もったいつけず、どれだけライブが大切か、どれだけファンが大切かをちゃんと説明してくれます。ステージ上を見てもらえればいい、曲を聴いてもらえればいい、だから、不必要なブランディングはしなくていい。考えたら、当たり前で、YOSHIKIさんほど上り詰めれば、その必要はない。感覚としては、ハリウッドスターに近いかもしれません。

文化の違いなのか、ハリウッドではどんな大物監督も、どんなスーパースターも、インタビューでは、作品に対する思いを一所懸命、話します。あのシーンではどうだった。あのシーンの背景にあるのは何だった、と。カッコつけるのはあくまで作品の中。

日本の俳優さんは、作品への思いを聞かれても「…、うーん…そうですね…。ま、スタッフ一同(タメ)、必死で作ったんでね…、一人でも多くの人に(タメ)………。まぁ、見てもらえれば(タメ)、嬉しいかなって、、ゴニョゴニョゴニョ(最後、聞こえない)」。舞台挨拶上でカッコをつける。

YOSHIKIさんにとって、Twitterはブランディングの場所じゃない。その必要はない。日本のファンとつながる場所。日本のファンに伝えたいことを伝える場所。ということは、意味のない「逆張り」をするなんてことはない。ということは、当然、心から日本のファンを、人を、心配する内容になる。ということは、「自粛」を呼びかける。もう不必要にブランディングをする必要ないほどの域に達した男の話は、純粋に日本を心配する声。やっぱり聞くべきだと思います。

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