人事評価を高める“直談判”のお作法。これが通じない会社は辞めてOK!

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米国公認会計士でフリー・キャピタリストの午堂登紀雄さんが様々なビジネステクニックや頭の使い方を紹介する、メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』。今回は、よく「自分は頑張っているのに、なぜ評価されないんだ」という口癖の多いビジネスマンに対して、厳しい言葉と的確な助言を使いながら、その「仕事観」を変えるよう促しています。仕事の目的を勘違いしているビジネスマンへ贈る、午堂さんの掲げた「仕事7訓」とは?

「がんばったつもり」というカン違い

「会社で認められない」「こんなに努力しているのに上司は評価してくれない」「自分より劣っているアイツが先に昇進するなんて会社は見る目がない」という悩み(嘆きや不満)があります。

そこで2つの側面から私の考えを紹介します。それは、「本人がポンコツの場合」と、「本当に上司や会社がポンコツな場合」です。

まず「本人がポンコツの場合」ですが、そもそも仕事は他者に評価されるものであって、自分で自分を評価するものではありません。

趣味なら「自分はまあまあがんばっている」「かなり上達したな」という自己満足は大いに結構なのですが、仕事とは基本的に自分以外の誰かのためにやるものです。

たとえば営業職なら顧客のため、事務職なら顧客は上司や自社の従業員です。そして自分の仕事は、彼らが喜ぶ成果を出すことです。

なのに「自分は頑張っているのに」というのは、仕事観を180度間違えているということ。まずその認識を改めなければ、どの会社に行っても同じことの繰り返し。永遠に不平不満を言い続けることになります。

努力が認められるのは結果を出したあとであり、結果が芳しくないのに努力を認めてくれというのはかなりムリ筋です。なぜなら、その努力の方向性ややり方が間違っているから結果が出ないわけで、そんな不適切な努力など褒めようがないでしょう。

自分はサッカー選手なのに、「毎日バットの素振りをやって努力しているのに認めてくれない上司はおかしい!」というようなものです。

時給や給料を上げろと要求するのもこれに似ていて、周囲の従業員以上に会社の利益に貢献していることを証明できるならともかく、自分から言うのは会社から見ればうっとうしいだけ。

本当に認められた人というのは、「じゃあ辞めます」と言えば「わかった、いくらならいいんだ?」と引き留められるからです。

また、たとえば同僚や後輩が先に昇進したというのも、実は本人には見えていない彼らの陰の努力があったのかもしれません。だから嫉妬する前に、「ねえねえ、あなたの何が認められて昇進したと思う?僕もあとに続きたいんだ」と聞いてみてはいかがでしょうか。

あるいは、たとえば営業成績で比べたら自分の方が優秀なのに、という場合も、会社は売上高を評価しているのか、利益率なのか、新規顧客獲得件数なのか、後輩の指導やリーダーシップを評価しているのか、上司に確認してみなければわかりません。

そこで、自分の評価や待遇に不満があるのであれば、上司と話し合いの場を持つことです。人事評価は上司の仕事であり、会社から与えられた役職権限なので、上司には説明責任があります。

だから「私のどういうところが不足しているのでしょうか」「私がどのような力をつければもっと評価されるのでしょうか」と素直に教えを乞うてみるのです。

それでもし、その理由に明確な根拠があって納得できるならば、それでよし。上司のアドバイス通りの取り組みをしてみることです。

あるいはもし、はぐらかしたりごまかしたりなどまともに話し合いに応じない、あるいは説明に論理性がなく納得できないなら、ポンコツ上司の可能性が高いでしょう。

ポンコツ上司のあるあるが、たとえば「えこひいき」。仮にそうだとしたら、えこひいきされてポジションを得た同僚や後輩の方がむしろ気の毒です。なぜなら実力に見合わない仕事を任せられることになり、結果を出せず潰れる可能性が高いからです。

そこで次が「本当に上司や会社がポンコツの場合」ですが、それを確認するには、上司のさらにその上の上司に相談してみることです。

「自分の評価の根拠について上司に説明を求めましたが、納得できるきちんとした回答をもらえません。これでは自分がどのような努力や研鑽をすべきか、どのようなスキルを向上させて会社に貢献すればいいのかわからず困っています。」と助け船を求めてみる。

それでその上の上司が動いてくれて適切な場が設けられ、さらに納得できる説明が得られればグッド。

もしその上の上司が動かず、あるいはやはり適当に流されたとしたら、会社全体がポンコツということになります。そして、自分の身の振り方を考える。はっきり言えば転職です。

なぜなら、会社全体がポンコツなら、行く末の将来はかなり危ういし、本人も成長できず会社とともに沈む可能性が高いからです。それに、本人が有能であれば、どこの会社に行っても活躍できるでしょう。

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