コロナ後の経済成長とデフレ解消に国内生産の再構築が必要なワケ

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前回記事「コロナ禍で明らかになった中国依存の限界と今後日本が進むべき道」で、中国依存を脱し、生活必需品を国内で調達できるような変革の道を示したファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さん。今回のメルマガ『j-fashion journal』では、専門分野であるアパレルを例に、インフラ投資の優遇や、公共事業として公務員の制服を国内生産に限るなどの具体的な施策を示し、国内生産再構築を提唱しています。

1.グローバリズムで貧しくなった日本

日本は中国生産に熱中し、結果として貧しくなりました。誰しも、低コストでモノ作りをすれば儲かると思っていました。しかし、低コストで作った商品は低価格で販売されます。半額で販売して、2倍の数量が売れれば売上は同じですが、消費には限界があります。アパレル製品の場合、身体は1つなので、下着やシャツが半額になっても、2倍の数量は買いません。

価格を下げて数量が伸びないと、売上が減少します。利益も減少します。更に、価格競争が厳しくなると、利益率も下がります。儲かるつもりで中国生産を行ったのに、気がついたら儲からなくなっていた。しかも、元には戻れません。価格競争の中で更に安く作ろうとするからです。

中国で安い製品ができると、国内製造業が淘汰されます。国内製造業を守るのなら、関税を掛けるべきですが、自由貿易が正義とされていたので、政府は関税をかけません。むしろ、WTOなど関税撤廃の方向で動いていました。

その結果、製造企業の倒産、廃業が増え、雇用も失われました。経済学では、失業した人がすぐに新しい仕事に吸収されるので問題ないという設定らしいのですが、現実はそうではありません。新しい仕事には新しいスキルが必要です。また、就職にも学歴や年齢の制限があります。日本では労働力の移動は容易ではないのです。というわけで、日本全体の所得も減少しました。日本は貧しくなったのです。

2.中国生産依存の弊害

新型コロナウイルスの感染が中国から広がり、世界中の経済活動が停止しました。感染防止のために、世界はマスクを必要としましたが、マスク生産が集中していた中国では、中国政府がマスクを輸出禁止にしました。世界中がマスク不足になりました。世界各国は、中国に生産を依存していたことを反省し、グローバルサプライチェーンを見直す動きが出てきました。

更に、「中国発のパンデミックは中国政府の情報隠蔽により拡大した」ということで、世界各国では中国政府の責任を追求する動きが出てきました。

日本のアパレル産業は中国生産に依存しています。そのため、中国からの輸入や、中国生産を止めることはできません。しかし、ウイルス禍がいつまで続くか、分からないし、第2波、第3波の感染があるかもしれません。そうなったら、中国政府が税関を閉鎖するかもしれません。

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