韓国「重要な隣国」、北方領土「主権を有する島」外交青書で明記

2020.05.19
by tututu
北方領土
 

茂木敏充外相は19日の持ち回り閣議で、2020年版外交青書を報告した。時事通信によると、青書ではロシアとの交渉が停滞する北方領土について「わが国が主権を有する島々」とし、韓国については3年ぶりに「重要な隣国」と明記する一方、徴用工問題への対応を強く批判している。

外交青書で表す日本の外交姿勢

外務省によると、外交青書とは「国際情勢の推移及び日本が行ってきた外交活動の概観をとりまとめたもの」で、昭和32年(1957年)9月の第1号以来、毎年発行されている。

外務省は2020年版の外交青書で、主な国について以下のような要旨を公開している。

●韓国

韓国は日本にとって重要な隣国。しかし旧朝鮮半島出身労働者問題に関し、依然として国際法違反の状態を是正していないことをはじめ、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了通告(ただし、後に通告の効力停止)、慰安婦問題に関する「和解・癒やし財団」の解散に向けた動きなど、韓国側による否定的な動きは止まらず、日韓関係は厳しい状況が続いた。

3年ぶりに「重要な隣国」と記したことが大きな変更点といえそうだ。一方、青書に「竹島は日本固有の領土」と明記したことを受け、韓国外交部は日本大使館の相馬弘尚総括公使を呼んで抗議したと朝鮮日報が伝えている。日本は18年度版の青書から「不法占拠」という強い表現で、竹島の領有権主張を訴えている。

●中国

習近平国家主席の国賓訪日について、日中両国は新型コロナウイルス感染症の拡大防止を最優先する必要があり、国賓訪日を十分成果が上がるものとするためにはしっかりと準備を行う必要があるとの認識で一致し、双方の都合が良い時期に行うことで改めて調整する。沖縄・尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入は19年に32回。引き続き日本の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意の下、毅然(きぜん)と、かつ冷静に対応していく。

中国とは習近平国家主席の国賓訪日を再調整し、「新時代の成熟した日中関係を構築していく」と表明。一方、尖閣諸島問題については批判している。

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